マジメな妹萌えブタが英雄でモテて神対応されるファンタジア
                                             みかみてれん(角川スニーカー文庫)



大好きな妹たちと歩む、脂肪と妹への愛でゴリ押しな異世界お兄ちゃん英雄譚。
大枠としては異世界転移ものですね。体に蓄積した脂肪が魔力となる、というデブ最強な世界観なので
体重120キロの主人公は最強な英雄なのだ! というストレートに分かりやすい構成になっています。
ただ、基本的には痩せたい主人公と太らせたいヒロインたちによる誘惑ラブコメがメインになっており
バトルはおまけ程度の描写しかありません。なのでシリアス度も薄めでサクサク読めます。
しかし主人公の使う魔法のネーミングセンスが酷すぎるw
ラブコメ面は事実上の妹ハーレム状態なので、後は妹を恋愛対象にできるかどうかですが…

主人公は義妹に痩せると誓ったジョギングの道すがら、突如異世界へ転生してしまった少年。
男は女を守るもの、年上は年下の面倒を見るもの、兄は妹を助けるもの、という考えを当然としており
たった一人の家族である義妹の莉緒を何よりも大切に思っている超のつくシスコン。
なので莉緒にはひたすら甘く、言うことは何でも聞くし彼女のためならばどんな労苦も厭わない。
ただ、自分を兄と呼んでくる相手には弱かったり妙に妄想たくましかったりと、青少年らしい部分も。

ヒロインはちょい病み義妹、クール無表情妹、子犬系妹、ツンデレ妹、ボクっ娘妹、ロリババア風味妹。
一番のお気に入りは主人公を「お兄さま」と呼ぶクール無表情なアサシンメイド、ルッツ。
編み込んだショートヘアーの桃色の髪をメイドカチューシャで纏めている、少し威圧感のある美少女。
まるで人形のように無表情なすまし顔が常で、語尾に「〜です」とつけるのが特徴。
仕事は完璧かつスピーディー、頭脳も明晰で料理上手とメイドスペックは文句なく高いのだが
平気で嘘をつき、楽するためには人をこき使うことをなんとも思ってなかったりと打算的な性格をしている。
その一方で、とてつもない負けず嫌いであったり、本心では大切な人を思っていたりと人間臭い面も。

現時点(一巻)においての評価はC。
ヒロイン全員が妹として好意を向けてくるという構図なので、妹属性持ちの読者にはたまらない作品かと。
まあ、妹要素てんこ盛り過ぎて正直妹という概念が滅茶苦茶になりそうでもありますがw
キャラに関しては、妹に弱くはあるものの、約束を守るために頑張る主人公の真面目さは好感を持てますし
メインヒロインの莉緒を筆頭に、様々な妹個性で迫ってくるヒロインたちも賑やかで良い感じ。
本筋は侵攻してくる帝国+最強の魔法使い集団から王国を守っていく、という流れで進むようですが
強い魔法使い=デブなわけだから、今後のボスバトルは全部デブ同士の対決というシュールな構図に…