最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中   結城忍(オーバーラップ文庫)



怪しげな求人広告を切欠に、異世界を訪れることになってしまった青年の異世界攻略物語。
主人公には特別な能力や運命などはありません。ただのゲーム好きな一般人がゲーム知識を使って
ファンタジー世界でスローライフをおくるだけ。おおまかにはそんな話です。
とはいえ、平穏な日々ばかりが続くのではなく、襲撃者との真剣なバトルシーンなどもあったりと
シリアスで燃えるシチュエーションもちゃんと用意されているので、展開の起伏はバッチリ。
ラブコメ面は主人公がハーレムエンドに興味アリと、今後のヒロイン増加(現在二名)に期待がかかるところ。

主人公は「人生はゲームだ」が身上な、ゲームに人生を使うゲーマーの青年。
物腰穏やかで人当たりのよい性格をしており、コミュニケーションスキルも高い。
また、観察力と分析力に長けており、心の切り替えの早さ、理不尽に対する耐性や冷静さも持ち合わせているが
これらは数多のゲームをプレイしたことによる経験で培われたものだったりする。
ゲームが関わらなければ常識人だが、人生をゲームとして捉えているがゆえに無茶な行動力を見せることも。
恋人に求める第一条件は、ゲーマーであること。

ヒロインはボクっ娘コボルト、生真面目な女騎士。
サブに冷静沈着な上司、陽気な狐耳のハンター、見た目子供な管理者仲間など。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(二巻)においての評価はC。
個人的には、こういう試行錯誤をしながら地道に生活を豊かにしていく話は大好物です。
地味な展開と説明文が大半を占めていますが、生活の基盤がゲーム的なシステムになっているおかげで
まるでゲームのプレイ動画を見ているような気分になれるため、退屈を覚えることはありません。
また、主人公の「どこまでもゲームと現実を区別しないがゆえに、ゲームも現実も大切にする」という風変わりな
キャラは中々印象深いですし、隣人たる異世界人たちも純朴な人ばかりで見ていてほっこりできます。
本筋は数々のトラブルに襲われながらも、迷宮管理者としての仕事は順調に進行中。
後に引くような深刻なシリアス展開は作風的にないと見ていいようですし、次巻も楽しみ。