黒鋼の英雄王機ヴァナルガンド ひびき遊(MF文庫J)
異世界に蔓延る魔人や魔獣と戦う巨大変形ロボットを操る青年社長と、魔人少女の物語。
大枠としては異世界召喚ものになりますが、主要武装が地球原産の人型巨大ロボットというのがインパクト抜群。
勿論現実の科学では無理なので、フィクション科学の産物ではありますが、そこは重要ではありません。
スーパーロボットがファンタジー世界で大暴れ、という浪漫が大事なのです。異論は認めない。
敵は魔法を使う魔人や魔獣ということでバトルのバリエーションも豊かですし、見応えがあります。
ラブコメ面は主人公がアラサーということで露骨な恋愛イベントは少ないようですが…?
主人公はある日突然、仕事仲間たち+その財力と最新科学を駆使して作った超巨大バイクとともに
異世界「散華の七大地」に召喚されてしまった大企業の青年社長。
金色に染めた前髪が特徴の三十歳手前男だが、巨大企業の社長だけあって責任感が強く、物怖じしない
自信家な性格で、能力的にも文武両道。また、両親からノブレス・オブリージュを叩き込まれていることから
自然に「自分の前では誰も泣かせない、見捨てない」ということを自分の正義としている。
その一方で、好奇心旺盛であり、私財で巨大ロボットを作って見せびらかそうとしたりと子供っぽい一面も。
ヒロインはへっぽこ魔人、妹分な秘書。サブにギャル風エンジニアや金髪外人幼女博士なども。
一番のお気に入りは代々主人公の家に仕えるのが役目である百地家の一人娘にして主人公の現秘書、百地礼香。
長い黒髪を後ろで纏めた、白いスーツが似合う二十四歳の美人で、仕事ぶりは間違いなく優秀なのだが
幼い頃、父を亡くしたばかりの自身の涙を止めてくれた主人公のことが好きすぎて暴走することもしばしば。
現時点(一巻)においての評価はC。
趣味で資材を投じて作らせた巨大ロボット(変形・合体機能あり)に搭乗して異世界無双。
男の浪漫すぎてマジで主人公が羨ましいです。まあ、それだけの財力と実力を持っているのも確かなので
不満や不快感を覚えるようなことはまったくないですし、ヒーローアニメの如く応援もできるのですが。
彼の周囲を固める主要キャラたちも個性いっぱいで存在感があり、らしさを助長していますしね。
本筋は元の世界に帰るために魔人を討伐していく、という目標のもとに異世界を旅していくようですが
これ、元の世界じゃ大騒ぎだろうな。巨大企業のCEOが生中継中に消失したわけだしw