※妹を可愛がるのも大切なお仕事です。 弥生志郎(MF文庫J)
いつか世界を変えるかもしれない兄妹の、笑って泣けて心震える熱血創作記録ラブコメストーリー。
大枠としてはラノベ作家ものですね。兄が編集者で妹が担当作家という組み合わせが特異な点でしょうか。
当然二人は同居しているため、頭を撫でたり下着姿で膝にのせたり一緒にお風呂に入ったりもします。
明らかに編集&作家としてはおろか、兄妹としての範疇も超えていますが、気にしてはいけません。
なお、妹とのイチャイチャ生活がメインに見えますが、執筆パートも書きたいものを書くという理想と
売上げや打ち切りに対する不安や残酷さという現実の間で揺れたりと結構真面目な描写も多かったり。
ラブコメ面は主人公がシスコン(恋愛感情はない)すぎて今のところ進展なし。
主人公は妹を売れっ子作家にするために日々奮闘するライトノベル編集者。
感情をあらわにすることがあまりなく、いつも仏頂面で口数が少ないため淡白な人間に見えるが
不愛想な表情の奥では仕事への情熱を静かに燃やしている。ただ、若さゆえに時々暴走紛いの迷走も。
趣味は映画鑑賞、仕事、妹と同じ空間にいること。特技は小説を長時間読み続けられること。
そして、苦手なことは長期休暇と若干ワーカホリックなところがあり、そのため恋愛への優先順位は低い。
幼少の頃より実妹の唯々羽とは別々に暮らしていたが、六年越しの現在は同居中で自覚がないシスコン。
ヒロインは売れないラノベ作家妹、ツンデレラノベ作家、わんこ系後輩編集者。
一番のお気に入りは六巻まで続いているシリーズの作者にして主人公が担当するラノベ作家、霧島礼祢。
十七歳という年相応のあどけなさを残しながらも、淑やかな気品が漂う面立ちに、腰まで届く艶やかな黒髪。
豊満な双丘に完璧なプロポーション。そして凛々しく鋭い目つきが剣術小町を思わせるタイプの美少女。
一瞬でお嬢様キャラになれることを特技としており、主人公以外の人の前では基本的に素を見せない。
いつも不機嫌そうで愛想がないが、ライトノベル作家への執念と貪欲さは並々ならぬものを持っている。
新人賞の最終選考の手前で落選したところを主人公に拾い上げられたという経緯から彼のことを慕っているが
筋金入りの不器用な性格が災いして素直な好意を見せることができずにいることが悩み。
現時点(二巻)においての評価はC。
妹の可愛らしさとイチャラブ描写にニヤニヤできる! がすべてに見せかけて、ライトノベル作家としての
挫折と成功、そして熱意が過不足なく描かれており、胸が熱くなるメッセージ性の強さが印象に残ります。
勿論、妹の唯々羽を筆頭にしたヒロインたちのプライベートの顔の愛らしさは申し分ないですし
少しズレたところがありながらも担当作家のためならば身を惜しまず誠実に頑張る主人公も好感が持ててグッド。
二巻が発売されましたが、どうやら一巻ごとに同一世界の中で主要キャラを変えていく群像劇方式で進む模様。
なので感想に関しては一巻のみを取り扱うということで。