ニューゲームにチートはいらない!   三木なずな(GA文庫)



チートがなくても前世の経験で自由気ままに生きられる青年の二度目の人生物語。
分類としては転生というか、強くてニューゲームものになるのでしょうか。
降って湧いたチート能力ではなく、あくまで前世でコツコツと積み重ねた経験を活かした主人公の活躍が
実に爽快感に溢れていてグッド。まあ、前世では落ちこぼれ扱いの塩対応だったくせに、若返った途端に
チヤホヤする元知り合いたちの反応には少しモヤッとしたものを覚えてしまいますが…
ラブコメ面は現状結婚見込みのヒロインが四人とハーレムエンドに期待。

主人公は七十年分の経験値を持ったまま、ニ十歳の身体に生まれ変わることに成功した青年。
短慮なところこそあるものの、真面目な努力家で、コツコツと積み重ねることを苦に思わないタイプ。
思い込んだらこうと決めて曲げない頑固者だが、基本的には卑屈で他人に強く出れない性格。
長い間不遇の人生をおくってきたがゆえに向上心が強く、不条理なことが嫌い。
長い人生をかけて後の先のみをひたすら磨いてきたことから、超一流のカウンター技術を身に着けている。

ヒロインは聡明な元娼婦、神速の精霊、生真面目な姫騎士、快活な受付嬢。
三巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(三巻)においての評価はC。
ご都合主義的なチート能力を持っていないというだけで、実力そのものはチート同然な主人公ですが
それは努力の果てに身に着けたものなので、気兼ねなく素直に応援できるのがいいですね。
人格にしても、卑屈が過ぎる点こそあるものの、実力を鼻にかけたりせず、その上誠実と好感が持てますし。
また、メインヒロインのビアンカも、前世の主人公にすら優しかったという折り紙付きの性根の良さ。
この娘が正妻ポジションである限り、どんなヒロインが登場しても問題はないのだと安心できます。
本筋はヒロインたちに励まされ遂に自信を得た主人公ですが、横やりが入って領主就任が白紙撤回に。
次巻は再度領主就任を認めてもらうために奮闘する展開になるのかな?