自重しない元勇者の強くて楽しいニューゲーム 新木伸(ダッシュエックス文庫)
二周目勇者のデタラメな強さを持つ少年がかつて救った異世界で好き勝手に生きる物語。
自身の欲望と本能に忠実な主人公が異世界でやりたい放題な、正にタイトル通りの作品ですね。
ストーリー性や成長物語要素などは皆無ですが、その分ストレスフリーの極みなのでサクサク読めます。
何かに縛られることなく、刹那的に、ただひたすらに心の赴くがままに自分らしく生きる。
ラノベのお約束を完全に無視しているがゆえに人を選ぶタイプの話ではありますが、爽快感は抜群かと。
ラブコメ面は固定ヒロインたちと各地を旅しつつ、現地妻を作って回る方向になる模様。
主人公はかつて勇者として自分が救った異世界に再び転生を果たした少年。
魔王を倒すという目的があった前回の転生と違い、今回は何の目的もないため好き勝手に生きることを決意。
えらそうで、いいかげんで、下衆で、欲望に忠実で、下半身に節操がない。一言で言えばクズ。
二度にわたるブラックな人生経験から、結構ドライ&シビアな価値観を持っており、敵には容赦がない。
来るものは拒まず去るものは追わず、そしてメリットのない人助けはしない主義。
ヒロインは世界最強賢者メイド、駄犬系元奴隷、蜘蛛っ子盗賊娘、忍者系冒険者、献身的な馬姫。
バニー師匠、元男な弟子、乙女脳な竜少女、武人な巨人騎士。あと、現地妻ポジションのサブヒロイン多数。
六巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(六巻)においての評価はC。
勇者(異世界)→社畜(現実)→勇者(異世界)とかちょっと主人公の人生乱高下しすぎじゃないですかね…
まあでも実際、こんな人生おくってて三回目ともなればそりゃ好き勝手に自重せず過ごしたいよなぁ。
力ある者の義務とか知ったことではありませんな。たまにはこういう主人公もアリだと思います。
ヒロインたちにしても、無造作に手を出されているようで結果的にはちゃんと幸せになっていますしね。
出てくる悪人達もキッチリぶちのめされているので善人や一般人は基本的に迷惑していませんし。
本筋は倒すべき敵も果たすべき目的もない、当てのない旅が続いていく形で進んでいくようですが…?