そんな遊びはいけません! 岩波零(MF文庫J)
主人公が痴漢されて始まる風紀委員活動ラブコメディ。
って書くとわけがわかりませんが、実際この通りなので仕方がないですね。
とにかくヒロインたちが皆残念な人格(ていうか痴女)をしていて面白すぎます。
しかも彼女たちは、皆揃って主人公のことが大好きなので、唯一まともな主人公が振り回されっぱなしという罠。
うん、これは主人公が好意に気がつかなくても鈍感と責めることはできないな。
いきなり痴漢してきたり、ラブホテルに誘ってくるヒロインが自分のことを好きだとは考えないよな普通w
ヒロイン枠でないはずの四姉妹ですら、どうみても変態ですし。
ラストは告白してきた三人の少女たちに返事をし、一人を選んでバカップル化。
でも振られた二人はまったく諦めずに、騒がしい日々は続いていくよエンド。
主人公は警察官を目指す風紀委員の高校生。
正義感が強く、皆が面倒くさがったり嫌がったりすることを進んで行う、大変できた性格。
しかもそれを苦に思わず、常に真摯に行動し、自身の保身を考えないという人柄の良さを持っている。
ただ、小心者で気が弱く、大声を出せないため、風紀委員の活動という意味では完全に報われていない。
家ではブラコンで頭のネジが緩んでいる姉妹四人に囲まれて苦労しまくりな生活を送っている。
ありえないレベルの鈍感ではあるが、年頃の男らしく色事にも普通に興味がある模様。
常識人に見えて、裸の妹の胸をつついたり一緒にお風呂に入ったりと結構壊れているところもあったりする。
ヒロインは痴漢幼馴染、携帯ブン投げお嬢様、ネカディブ奉仕委員。
あと、ヒロイン扱いではないものの、実の姉二人と妹二人の出番もそれなりにある。
一番のお気に入りは、クールなようで全然そうでもないお嬢様、神崎明日奈。
イライラすると自分の携帯電話をブン投げてしまうという癖を持っている。
実家は金持ちのお嬢様で、父親が男女交際に関して厳しい。
そのため、恋人がいないのだが、周囲の友人たちは皆彼氏持ちなので劣等感があったり。
プライドが高く、口が悪いので第一印象で良く思われるタイプではない。
かなりのSなのだが、その実更なるSによって屈服させられたいと思っている歪んだ性癖の持ち主。
料理ができず、成績もあまりよくなかったりと何気にスペックが低い。カラオケが上手い。
評価はC。
残念系ヒロインに囲まれた日常的ドタバタラブコメが軽く読めていい感じです。肌色率も高いですしw
主人公は一本筋が通ってるキャラなので、ブレがなく不快感を感じないのがいいですね。
少々鈍感が過ぎるきらいはありますが、そこはヒロインの行動が残念なので相殺できているかと。
ただ、ヒロインたちの痴女っぷりはやっぱり所々引くなぁw
全体的には、綺麗にとまではいかなくとも、きちんとまとまっていたかなと。
ヒロインを一人に絞り、でも他の二人も諦めないというオチは、作品の空気にあっていてよかったです。
ハーレム化すると主人公のキャラが、潔く諦めるとヒロインの今までの肉食キャラがブレちゃいますしね。