戦女神の聖蜜　　　草薙アキ（講談社ラノベ文庫）



おっぱいを吸って世界を救う、エロティック学園バトルアクションストーリー。
大枠としては神話要素を取り入れた異能バトルものになりますが、タイトルや謳い文句で想像できる通り
ラッキースケベイベントやギリギリの濡れ場シーンといった肌色要素が頻繁に出てきます。
とはいえ、力の暴走を防ぐためには戦女神の胸から出る聖密を摂取する必要がある上
エロイベントを引き寄せるアイテム装備って設定がある時点でこれは当然の帰結ではあるのですが。
ただ、そっちに力を入れ過ぎているがゆえに、シリアスパートの緊迫感や真剣味が空回っている感も。
ラブコメ面は現状主人公が一筋な態度をとってはいるものの、他ヒロインも黙ってはいないようで…？

主人公は普通の高校生にして、実は「終末の王」という世界を滅ぼす存在でもある少年。
女神オーディンに一目惚れし、彼女を嫁にするために力を我が物とし、最強の神となることを決意した。
気さくで明るく、他人を思いやり、危険を顧みず助けに動くことができる男気と優しさを持っている。
その一方で、軽薄で調子に乗りやすく短絡的と、自分の欲に正直すぎる一面も。
色恋に関しては年齢相応に興味津々であり、妄想たくましいが、経験の足りなさと純粋さゆえに
刺激が強すぎる状況になると鼻血を出して気絶してしまうこともしばしばだったりする。

ヒロインは生真面目な戦女神、マイペースな女神、心優しい委員長、明朗快活な戦女神、処女ビッチな戦女神。
一番のお気に入りは委員長の愛称で親しまれているクラスメイト、水瀬姫乃。
ふわっとしたショートカットの似合う、純和風な美少女。
誰に対しても分け隔てなく接する性根の優しい性格をしており、男女問わず人気が高い。
中学生の頃、主人公に悪質なナンパから助けてもらったことがあり、その時からずっと彼に想いを寄せている。
その好意の強さは、想い人のためならば自分の胸を吸わせたり、人を辞めることを厭わないほど。

現時点（二巻）においての評価はＣ。
己の欲望に忠実ながらも熱血で一途と、一本筋の通った部分を持っている主人公が好印象。
好きになった女性のために！　という動機はわかりやすく共感できますし、素直に応援できる魅力があります。
毎度エロい目にあわされながらも、彼の力になろうと頑張るヒロインたちの姿も健気で可愛らしいですし。
反面、ストーリーパートがやや杜撰すぎるというか、敵も味方も無能ばかりでテンポが悪いのは難点ですが。
大体戦闘中におっぱい吸ってる時間とか普通あるわけないもんな…
本筋はヒロインたちと交流しつつ、主人公の力を狙ってくる刺客と戦っていくという流れで進んでいく模様。
ただ、敵幹部が十人というのは多すぎではなかろうか。全員倒すまで連載続くのだろうか…