ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?   相上おかき(富士見ファンタジア文庫)



前人未踏な変態ヒロインたちとおくる、マニアックでアブノーマルでパラノイアな日常物語。
主人公以外の登場キャラが基本ぶっ飛んだ変態ばかりということで、とにかくインパクトは抜群。
一応周囲は美少女たちばかりという環境なのに、主人公に全く羨ましさを感じないのが凄い。
むしろ変態共へのツッコミによる過労を心配したくなるレベルである。
お色気シーンもそれなりの数が発生するのに、変態性優先で全然エロさを感じませんしね…
ラブコメ面は今のところメインヒロインの白瀬由宇が優勢のようですが、さて。

主人公は周りに変態が多い生徒会所属の一年生男子、通称ワトソン。
女と見紛う可愛い顔つきをしているため一見すると気弱に見えるが、実際は人一倍正義感が強く
困っている人を放っておけず、面倒事を自分から引き受けてしまう性格。
なお、年齢相応にエロいことには興味があるが、変態的な趣味は持っていない。
何故か周りに変態が集まってくるがゆえに、ツッコミ役を一身に担っている。

ヒロインは水中放尿愛好者な幽霊、天才ロリ生徒会長、クールビューティーな幼馴染。
一番のお気に入りは生徒会会計を務めるナイフマニアな幼馴染、比良坂明美。
腰まで伸びた艶やかな黒髪と切れ長の凛とした黒い瞳の、清楚で可憐な大和撫子の風情がある美少女で
同時に、脱いだら凄いEカップ美巨乳の持ち主でもある。
普段はクールで真面目だが、一皮剥くと結構抜けたところがあったり、妹ラブなシスコンであったり
主人公との色恋話になると過剰に興奮し、暴走したりと、実はかなりの残念美人。
趣味が刃物収集なナイフマニアで、刃物を用いた近接・中距離戦の実力は達人クラス。

現時点(一巻)においての評価はC。
癖の強い変態揃いのヒロインたちを受け入れることができるかどうかで全てが決まる作品かと。
普段は可愛く見えても、一度変態性を発揮し始めると正直引くレベルの言動を取り出しますからね。
そういう意味ではなんだかんだで彼女たちを見捨てない主人公の器のデカさには驚嘆の一言です。
内容のほうは、客観的には深刻な事態が起きているはずなのに敵も味方も変態だらけだから
シリアスな場面でも締まらないというか、バカバカしさが強いため肩の力を抜いて読むことができます。
本筋はメインヒロインを取り巻く問題が解決し、綺麗に終わったかと思いきや続編が出る模様。
新ヒロイン投入とのことですが、こんなトンデモ物語、最終的にはどう纏めるんだろうか…