魔王城のシェフ 水城水城(ファミ通文庫)
戦力でも料理でも魔王軍最強となった料理人によるグルメファンタジーストーリー。
魔王による人類領への侵略や魔王VS勇者といった問題すべてを絶品料理で解決だ! な料理コメディです。
まあ、肝心の料理そのものはコカトリスやクラーケン、スライムといった魔物が素材になっているため
調理後の見た目に問題がなく、ヒロインが美味しそうに食べていてもイマイチ食欲がわきませんが。
というか配下を調理した料理を食べる魔王という構図がシュールすぎる。それでいいのか魔王w
ラストは女神も認める料理を作り、永遠の命を得た主人公は今日も魔王城で料理を作るのだったエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインの魔王ルイーナと結ばれて終了。
主人公は究極の料理を求めて旅をする流浪の料理人。
孤児で野垂れ死にしかけていたところを師匠に拾われてから、料理や体術、生きるための術を
叩き込まれたため、若くして料理人としての腕前は勿論、戦士としての実力も超一流。
やや短絡的なところこそあるものの、一本気で、自分の料理を食べてくれる者には差別をしない性格。
美味い料理を作ることに命と人生を賭けており、料理を馬鹿にしたり粗末にしたりする者は決して許さない。
たとえ魔王の威圧が相手であろうと、一歩も引かない精神力の強さを持っている。
料理馬鹿ゆえに女性へのデリカシーはゼロだが、自身への好意に鈍感というわけではない。
ヒロインは傲慢不遜な魔王、ぼっちな勇者、小悪魔系サキュバス。
二巻にて主人公の師匠が登場するも、彼女はどうやら母親ポジションで落ち着く模様。
一番のお気に入りは勇者と同じく絶大な力を持つ魔族の女王、ルイーナ・イルエンデ。
容姿だけ見れば紫の瞳とスタイルの良さが目立つ美女なのだが、豊かな胸の半分以上を露出した上半身に
ほぼ丸見えの下半身、へそまで晒した痴女同然の装いをしているため、主人公からは痴女呼ばわりされている。
魔王らしく尊大かつ傍若無人な性格をしており、自分に従わない者には容赦がないが
その一方で、美味しい料理に感激するような微笑ましくて親しみやすい純粋な一面も持ち合わせている。
評価はC。
素材が素材なので、実際には食べることは不可能ですし、そもそもあまり食べたいとも思わないのですが…
主人公の出す料理を美味しそうに食べるヒロインたちの可愛らしさは文句なしでしたね。
食事以外の場面でも皆結構チョロいですし、深く考えずにサクサク読める作品だったかと。
料理バカな主人公が凶悪な魔物を臆せず戦い、そして調理するシーンも色んな意味で見ごたえ十分でしたし。
本筋は一巻で魔王と勇者に美味と言わせ、二巻で師匠越えを果たし、三巻で女神に認められるという
段階を踏んだ展開になっており、インフレ感こそあったものの話の流れは綺麗に纏まっていた印象。
まあ、恋愛面は少し駆け足というか、あっさり決着がつき過ぎていた気はしましたが…