龍と狐のジャイアント・キリング 神秋昌史(HJ文庫)
強大な軍事力を有する大帝国の侵攻を受け、滅亡の危機を迎えている日ノ本共和国を舞台にした
一騎当千の神霊種を指揮し、巨大鋼鉄機兵を狩り尽くすビクトリーロードストーリー。
大枠としては戦記ものになりますが、行われる戦闘は生身の兵と兵がぶつかり合う集団戦ではなく
一騎当千の人外と最新鋭の巨大鋼鉄機兵の激突という、派手で非現実色が濃いものになっています。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロイン側の好感度はかなり高いようですが…
主人公は日ノ本共和国に所属する、古くから神霊種と親交があった血筋の末裔。
戦況分析能力に長けており、神霊種たちを中心とした帝国への反抗作戦指揮を担当することに。
十代の少年らしさを残した容貌にそぐわない鋭い光を瞳の奥にたたえていることが示すように
やや無愛想で素っ気無いところこそあるものの、常に冷静沈着で礼儀正しく、真面目で堅物な性格だが
一方で、その胸の内には強い愛国心と仲間を大切に思う優しさを秘めている。
修練所を主席で卒業した英才で、特に卓抜した戦術理解と冷静な胆力は教官達からも一目置かれていたほど。
ヒロインは妖狐の姫君、妹分な姫君、ボクっ娘カラス天狗。
サブに妖艶な雪女、忠義心厚き音の怪、クールな司令官なども。
一番のお気に入りは日ノ本共和国の皇室の分家に当たる家の娘であるお姫様、緑宝院紗杜子。
黒く瑞々しいロングヘアに華奢な肢体、そして幼さを残しながらも端正な顔立ちの美少女で
蝶よ花よと育てられてきたがゆえに、心優しくはあるが、内気で気弱な性格をしている。
しかし、国や大切な人のために勇気を振り絞って行動できる気丈さを持っていたりと芯は強い。
現時点(二巻)においての評価はC。
自陣営の絶望的な状況を、主人公の集めた力がひっくり返すというカタルシスがたまりません。
主人公自身には戦闘力はないですが、その分指揮で魅せてくれるので格好良さは申し分ないですし
また、メインヒロインである狐貂を筆頭にした神霊種たちの無双っぷりも実に気持ちよい。
敵対相手は一方的にして傲慢不遜な侵略者なので勝利時の爽快感も抜群ですしね。
本筋は眼前の敵侵略部隊を撃破するも未だ自国の大半は制圧されたままで、敵の本国は未だ無傷のまま。
と、平和を取り戻すまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、未登場の神霊種も多数控えているようですし
今後も主人公の指揮の下で活躍するであろう彼ら彼女らの奮戦に期待したいところ。