ドルグオン・サーガ   にゃお(HJ文庫)



竜神(生命体ロボット)を操る少年が異世界を駆け抜ける王道ロボット戦記。
大枠としては異世界転移ものになりますが、珍しいのはファンタジーな世界観なのに剣や魔法ではなく
巨大ロボットが戦闘の軸に置かれているところですね。とはいえ、ロボット自体は異世界の生物と契約を結び
その生命体を錬金術で生命体ロボットへと生成させた兵器、という設定なので科学要素は薄いですが。
しかしロボットのデザインが格好よくて浪漫回路を刺激されるなぁこの作品は…!
動物の形を模ったロボットたちによる激しい戦いとか、文章から絵面を想像するだけでも燃えますし。
ラブコメ面は主人公の血を残すことが国の大事になっているため、一巻にして早くも二人の嫁をゲット。

主人公はある日突然地球から異世界に飛ばされたロボット好きな少年。
異世界に召喚されてから一年ほどは平穏に暮らしていたが、戦火の中、恩人を守るために立ち上がることに。
受けた恩を忘れない義理堅さと、苦言を受け入れることが出来る素直さを持ち合わせたまっすぐな
それでいて、通すべき筋は通すという頑固な一面を兼ね備えた性格をしている。
大のロボット好きで、元の世界では親から呆れられるほどロボットゲームに熱中していた。

ヒロインはの純朴な農場娘、才媛な第一王女。
一番のお気に入りは異世界に来てからの主人公にずっと尽くしてきた少女、シャリエ・ラクリラ。
肩口で切り揃えた金髪に青眼、そして優しい空気を身に纏った、街でも評判の美少女。
農場の娘らしく、純朴で心優しくお人よしで家庭的な性格をしているが、心の芯は強い。

現時点(一巻)においての評価はC。
個人的には、異世界転移にちゃんと意味を持たせているのが良かったですね。
鎧機(ロボットのこと)の操縦者の始祖が地球人であり、それに加えて主人公はロボットゲーム好きだったから
操縦方法が似ている鎧機の操縦技術に長けている、というのは納得できる設定でしたし。
また、主人公当人も全編通して気持ちの良いまっすぐさと心の強さを見せてくれるので素直に応援できますし
ダブルヒロインも、それぞれのスタンスで彼を支えようと強い想いと行動を見せてくれるのがグッド。
内容そのものも王道の英雄譚といった感じで、熱い盛り上がりと爽快感がありますし。
本筋は主人公の活躍によって国を襲う強敵を撃破するも、まだ見ぬ脅威の存在が示唆されていることもあり
次巻以降も激戦が予想されます。しかし、仮に帰還方法が見つかっても主人公は帰ることができるのだろうか…
国王は後を継がせる気満々ですし、現地女性を嫁にしたこの状況はもう鎖で繋がれたようなものなのではw