突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!   塀流通留(MF文庫J)



三人の妹の誘惑を耐え切り妹ハーレムを守りきれ! な日常系妹ラブコメストーリー。
わかりやすく、そして潔いまでに「妹」という属性だけに特化している作品です。
ヒロインである妹側は皆主人公にベタ惚れであり、これでもかとばかりに積極的に迫ってくるため
嬉し恥ずかしな萌えイベントは勿論、お色気イベントも満載と、とにかく読み味は軽め。
ラブコメ面は好意全開な妹達に囲まれた一分の隙もない妹ハーレム環境が既に完成していますが、さて。

主人公は十七歳の誕生日に三人の妹から告白されてしまい、選択を迫られる少年。
特に癖のない常識人で「今の日常を守るために、普通じゃないことは極力避けるべし」を座右の銘としている。
ただし、妹関連のこととなると異常なこだわりを見せることもしばしば。
頼みごとを断るのが苦手で、それゆえに自分から貧乏くじを引くことが多い。
勉強は普段からわりとコツコツやっていくタイプ。

ヒロインはお嬢様な実妹、マイペースな義妹、天真爛漫な似妹、ギャル系幼馴染、ボクっ娘異妹。
一番のお気に入りは主人公の右隣の部屋で一人暮らしをしているロシアンクォーターの義妹、舞並空。
翠瞳に適当なサイドテールにした銀髪が特徴的な、年齢の割に小柄な美少女。
グータラで猫みたいに気まぐれな、超マイペースな性格をしており、口調も基本的に淡々としているが
過去、日本人らしくない見た目が原因でいじめられていた時、泣いていた自分を優しく励ましてくれた
ことが切欠で好きになった主人公への好意は本物で、彼に対する言葉はストレートなものが多い。
勉強は全然しないタイプなので成績は悪いが、理系だけは無勉強でも優秀。

現時点(三巻)においての評価はC。
誘惑に励み、最愛の兄の嫁の座を掴みとらんと(時折ズレた方向に)一生懸命な妹たちに対し
真剣に彼女たちのことを想うがゆえに不感症を装ってアプローチに耐える主人公、という構図が楽しい。
この手の設定だと、主人公はヒロインたちからの好意に鈍感だったり他に本命がいるのがお約束ですが
ちゃんと彼は妹達を異性として意識しており、だからこそ常識的な感覚で苦悩してしまっています。
読者視点だと「さっさと全部受け入れて楽になってしまえよ!」と無責任に煽れるんですけどねw
まあ、ヒロインは皆個性的でありながらも皆本当に良い娘ですし、そりゃ安易に選べないよなぁ…
といっても、ヒロイン側は誰か一人を選んでも残りの面子となら浮気OKとハーレム容認思考なので
主人公が吹っ切ることさえできれば最初から選択肢はハーレムエンドしかない気がするのですが。
本筋はここにきて唯一法律的にアウトな実妹との間に血の繋がりがなかったことが判明。
これによって単独エンドもハーレムエンドも可能になったわけですが…