編集さんとJK作家の正しいつきあい方 あさのハジメ(富士見ファンタジア文庫)
高校生ラノベ編集×変人少女作家たちの正しい(?)同棲ラブコメストーリー。
ラノベ作家が題材になってはいますが、珍しいのは主人公が作家ではなく、編集者であるということ。
しかも、美少女ラノベ作家なヒロインたちとは一つ屋根の下で一緒に暮らしている仲。
他の同系列の作品と比べると、執筆風景や金回り、業界話や作家としての信念といった突っ込んだ描写は
少なめであり、あくまでラノベ作家をツールにした日常系ドタバタラブコメという色が強い印象。
メインヒロインの美沙からして作中ヒロインになりきってキャラの気持ちを理解するという執筆スタイルですし…
ラブコメ面はヒロイン全員と同居+仕事で関わり有りと距離感が近いので色々と期待。
主人公はFF文庫編集部で編集者のバイトをする高校二年生の少年。
元々は酷く青臭く、熱血な性格をしていたのだが、理不尽駄目上司に一度心をヘシ折られてしまった結果
編集としての能力的には高校生と思えない超優秀さを手にしたものの、その代償として表情筋が死に
感情を顔に出すことが極端に少ない、何が起きても冷静なロボット的クール&ドライな性格になってしまい
さらには学園の青春に全く興味がない、何よりも仕事を優先して考える社畜予備軍になってしまった。
それゆえに、仕事のことになると周囲がまるで見えなくなり、奇行を平然と働くという欠点がある。
趣味は読書で、特にラブコメものが大好き。目標はラノベ編集者としての姉を超えること。
ヒロインはツンデレ系同級生、関西系幼馴染、ブラコン系ストーカー従妹。
一番のお気に入りは虎岩大河というPNで執筆している売れっ子作家な幼馴染、ミシェル・メッサーシュミット。
金色ロングヘアの、まるでグリム童話に出てくるお姫様のような外見を有する美少女で
世間的にはドイツからの留学生ということにして振る舞っているが、本当は生粋の関西人にしてガチオタク。
見栄っ張りな性格をしており、ツイッターをはじめてもアンチに絡まれてすぐ止めるくらいコミュ力が低い。
また、幼馴染ヒロインに病的な執着があり、自分の作品でも幼馴染ヒロインばかりを贔屓している。
作家としてはプロ意識の強い努力型の速筆家で、強くストレスが溜まると筆が進むタイプ。
好きな食べ物・球団・動物はお好み焼き・阪神タイガース・トラ。時々関西弁で喋ることがある。
現時点(二巻)においての評価はC。
ぶっちゃけ、この話はラノベ作家ものというよりは、ラブコメイベント満載な一つ屋根の下同棲生活物語
と評するのが正しい気がします。お色気イベントもバッチリな上、ヒロイン側もデレデレですし。
まあ、そんな羨まけしからん桃色の日常を編集脳でバッサリ斬り捨てまくる主人公は剛の者過ぎですが。
ヒロインも色んな意味でかなり頭がゆるい娘たちばかりですし、とにかく全編通して賑やかな作品ですね。
とはいえ、主要キャラたちも色々悩みを抱えているので、ただバカ騒ぎするだけでは終わらないのですが。
本筋は二巻が二人目のヒロインの掘り下げ回だったので、三巻は三人目のヒロインの掘り下げかな?
……と思いきや、あとがきを見る限りどうもここで終わりっぽい空気が濃いんですが大丈夫か?