ラノベのプロ!   望公太(富士見ファンタジア文庫)



シビアなラノベ業界の姿を描いた、日常系のハイエンドストーリー。
大枠としては現役のライトノベル作家の日常が描かれている、いわゆるお仕事ものですね。
この手の話は「面白いラノベを書く!」というクリエイター気質が最優先な主人公が多いですが
当作品の主人公はプロとしての意識が高く、数字にも拘るなど現実的な気質が強いです。
なので、内容のほうも結構生々しいというか、作者の実体験含みなリアル系のネタが多かったりします。
ラブコメ面は幼馴染にしてメインヒロインの希月結麻へのプロポーズが成功し、もはや波乱はなさそう。

主人公はデビュー四年目の意識高い系ライトノベル作家。
三シリーズ目の作品がアニメ化するも爆死している。昨年の年収は二千五百万円。
見栄っ張りで自尊心が高く、かなり捻くれた性格。また、頻繁に他人を妬むなど人間としての器も小さい。
コミュニケーション能力に難があり、一人でいることが苦にならないなど、根っからのぼっち気質でもある。
作家としては計算タイプ。プロ意識が滅茶苦茶高く、仕事に対して全体的にストイックな面が強い。
そのため、生活能力自体は皆無だが、体調管理のために健康的で規則正しい生活をおくっていたりする。

ヒロインは幼馴染な大学生。サブに一番弟子な高校生、中二病な中学生作家。
一番のお気に入りは税金対策として主人公に雇われている現役女子大学生、希月結麻。
なお、立場的にはアシスタントということになってはいるが、ラノベの知識は皆無だったりする。
緩くパーマを当てた明るい色の髪が、ナチュラルメイクを決めた童顔によく似合っている
可愛い六割、綺麗四割といった感じの美人。なお、胸はかなりボリューミー。
即断即決で感情豊かな性格をしており、世話好きで面倒見が良く、家事全般完璧と女子力がかなり高い。
高校時代、友達の影響で中途半端にギャル化していたことが黒歴史になっている。

現時点(二巻)においての評価はC。
他のラノベを取り上げた作品と比べると、闇が深いというか業界&お金関係に踏み込んでる感があります。
しかし話の雰囲気そのものは暗くはないですし、シリアス成分も薄いのでサクサク安心して読めるかと。
キャラに関しては、器は小さいけれど、惚れた女のために一途に頑張る主人公に好感が持てますし
ラノベ知識皆無なメインヒロインの主観も中々新鮮。幼馴染特有の可愛さも良く出ていますしね。
同業者なサブキャラたちとの討論や創作談義も面白いですし、日常系の話としてはかなり完成度高めな印象。
本筋は主人公のプロポーズが成功し、アニメ化前提の企画もゲットと前途は順風満帆。
しかし出回っている情報を見るに、どうもこの巻で打ち切りという説が有力っぽいようなのですが、さて。