S級御曹司たちがゆく、異世界契約支配者生活   山川進(GA文庫)



圧倒的金稼ぎ能力を駆使して、異種族たちの頂点へと君臨するファンタジー支配者生活ストーリー。
同文庫の「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」と同じく、元の世界で活躍していた
少年少女たちが転移した異世界でもその才能をいかんなく駆使し、成り上がっていく話です。
レベル、職業、スキル、アイテム、ギルド。その全てを買える霊貨を使って全てを奪い合う賭け勝負。
と、世界観を構成する重要要素がかなりゲームシステム的なので内容を理解しやすいのが良いですね。
反面、何処かで見たような設定の詰め合わせになっている感が否めないのも確かなのですが…
ラストは地盤固めが終わったものの、敵はまだまだ多く俺たちの戦いはこれからだエンド。
ラブコメ的にはフラグが立っているヒロインはいるも、これといった進展がないまま終了。

主人公はクリスマス・イブの夜に謎の現象に巻き込まれて、階層世界オーバードガイアに転移してしまった少年。
類稀なる才能の持ち主「現代の三強」の一人であり「最高位の御曹司」と讃えられるお金儲けの天才。
調整・仲介など指導者としても抜群の才能を誇っており、更には、スポーツ、勉学、芸術の類など
あらゆる分野で驚異的な成績を叩き出す異才の持ち主で、没落した名家・御剣家の跡取りとなり
僅か数年で世界有数の大財閥に育て上げた実績を持っている。
しかし、レベルが高すぎるがゆえに感覚もぶっ飛んでおり、結果として女性にモテないという欠点持ち。
尊大にして冷徹、肝の据わった性格で、何事にも(女性関係を除く)動じない精神力を有している。

ヒロインは残念リーダーな精霊、ニートな暗殺者、負けず嫌いなスーパーアイドル。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

評価はD。
金と力が全てという殺伐な世界が舞台ではあるものの、それは主人公たちが遠慮なく力を振るうことが出来る
下地が整っているということでもあるため、敵を容赦なく蹂躙する気持ちのいい無双展開が楽しめました。
キャラに関しては、完璧でありながらも共感しやすい欠点(モテない)持ちの主人公が好感度大でしたが
ヒロインたちは個性こそ尖ってはいたものの、ラブコメ的な可愛さをほとんど発揮できないままだったのが残念。
本筋はチュートリアル段階が終わり、いよいよ戦いの本番が始まる! というところでの打ち切り。
これから話が本格的に動き始めようとしていただけに、正直生殺し感が物凄いのですが…
やはりあらゆる点で二番煎じっぽさが強すぎたのがまずかったのだろうか?