瀬川くんはゲームだけしていたい。   中谷栄太(GA文庫)



静かで穏やかなゲーマーライフを侵食されていく少年の、つながりたくない日常ラブコメストーリー。
大まかに言えば、ゲームというツールを軸にして人間関係が深まっていく構成の話ですね。
まあ、主人公自身はそれを望んでいないわけですが、勝手にヒロイン側が寄って来るわけで…
この手のヒロイン側が強引に絡んでくるタイプの話はどうしてもウザさを感じてしまいがちですが
主人公はゲーム優先主義過ぎ、ヒロインは空回り可愛い変人ばかりということもあり、不快感はありません。
ラブコメ面は主人公がゲーム優先主義なため、ヒロイン側ばかりがアプローチを頑張る形で進む模様。

主人公は生活のほとんどのリソースをゲームに注ぎ込むほどゲームを愛している少年。
ゲーム三昧の日々を全力で過ごし、それ以外には極力エネルギーを割かないことを信条としており
また、この世の森羅万象をゲームという色眼鏡で見ているゲーム脳の持ち主でもある。
基本的に他人に対して無愛想でコミュ力も低く、交友関係も壊滅的なのだが、本人はまったく気にしていない。
ただ、たまに思いがけない優しさを見せることもあるため、そこにやられてしまう女の子もいる模様。
なお、眼鏡キャラではあるが、別に理知的というわけではなく、むしろ迂闊な発言が多かったりする。
何気に反射神経や動体視力に優れており、実はやる気にさえなれば運動神経抜群。

ヒロインは世話焼き幼馴染、和ゲー担当後輩お嬢様、洋ゲー担当貧乳巫女、FPS担当のじゃ小学生。
一巻ラストで登場した甘やかし系従姉は現状保護者ポジションの模様。
一番のお気に入りは実況動画制作部の部長である中等部三年のお嬢様、笹倉瑠璃理。
腰まで届くくらいに伸ばされた艶やかで癖のないミルクティー色の髪に、涼やかな切れ長の目。
そして、純和風に整った面立ちに、年齢の割には大きい胸の膨らみを有する美少女。
家柄、知性、美貌と三拍子揃っており、口調もお嬢様らしく丁寧で上品だが
負けず嫌いでテンションが上がりやすい上、やや尊大というか、さらっと自分を上げる発言をすることが多く
また、部員を欲しがる割に入部希望者を容赦なくふるい落としたりと、結構面倒臭い性格をしている。
なお、筋金入りの箱入り娘であるため、運動が苦手でひ弱。しかも何もないところでもよく転ぶ。

現時点(二巻)においての評価はC。
主要キャラのほとんどがゲーム好きではあるものの、ゲーム関係の描写そのものはそこまで多くないです。
勿論、ゲームに詳しければより楽しめる程度には取り上げられていますが…
基本的にはゲームをダシにして和気藹々とした掛け合いをしたり、ラブコメしたりのほうメインですね。
一人でひたすらゲームがしたい! という思考がブレない主人公を攻略しようと奮闘するヒロインたち
というドタバタ修羅場な構図がベースになって話が進むのでサクサク読み進めることができますし。
本筋はこれといった目的が設定されていないため、ただただ騒々しい日常が続いていくだけっぽい?