ツール・ド・ガールズ!!   さいききょうや(講談社ラノベ文庫)



縁あって高校の女子自転車競技部の監督を務めることになった少年と美少女達の青春自転車ストーリー。
自転車(ロードレース)というラノベではマイナーな題材がメインになっているのが興味深いですね。
とはいえ、レース中に必殺技が繰り出されたりと内容はかなりラノベナイズされていますし
スポ魂的熱さも十分にあるので、ロードレースに興味がない読者でも楽しんで読むことが出来ると思います。
主人公が相手の身体を揉むと素質がわかるというおいしい設定持ちなのでお色気要素もバッチリですし。
ラブコメ面は現状許婚の桜ノ宮六華が押せ押せで他ヒロインを引き離している感じですが…?

主人公は怪我により競技の道を断念することになった元天才サイクルロードレース選手。
本編開始前は失意の日々を送っていたが、色々あって櫻花高校自転車部の監督を務めることに。
ロードレース漬けの人生を過ごしてきたため異性に慣れておらず、泣かれたり押されたりに弱いが
自転車のことで集中すると我を忘れ、無意識にセクハラを働いてしまうことも。
局部を直接手で揉むことによって、皮下にある筋肉組織の情報を読み取り、ロードレーサーとしての
潜在的な才能及び実力をある程度推し量ることが出来る「賢狼の魔爪」を特技の一つとしている。

ヒロインは勝気な部長、許婚なお嬢様、クールなスプリンター、陽気なクライマー、長身おっとり副部長。
一番のお気に入りはボーイッシュな同級生スプリンター、早風薫。
シャギーの入ったショートヘアー、力強く意志の強そうな瞳、健康的な小麦色といかにもなスポーツ系美少女。
普段はよく通る澄んだ声音で喋り、クールで責任感の強い、凛々しい姿を見せているが
実は主人公のスプリントに憧れて全国区の短距離走者からロードに転向したという経緯の持ち主で
それゆえに、彼を前にすると緊張を隠せないこともしばしばという初心な女の子らしい一面も。

現時点(一巻)においての評価はC。
題材が題材なため、絵なしでは競技の魅力が十分に伝わってこないのではないかという懸念がありましたが
なかなかどうして、細かい描写はさておき選手達の自転車にかける情熱は十二分に伝わってきます。
キャラに関しては、ひたむきに頑張るヒロインたちの姿がいかにも青春といった感じで清々しく
また、そんな彼女たちに感化されて自転車への情熱を取り戻していく主人公も中々熱くてグッド。
本筋は世界大会(ツール・ド・ガールズ)優勝へ向けてまず地区大会を突破。
今後は県→全国と勝ち進みつつ、合間にチームメンバーたちを掘り下げていく形になると思われますが、さて。