くずクマさんとハチミツJK   烏川さいか(MF文庫J)



興奮するとクマになる高校生の少年の、私欲まみれのほんわかラブコメストーリー。
主人公が我を忘れるほどの大のハチミツ好きで、ヒロインは極上のハチミツの汗をかく美少女。
完全にヒロインを舐め回すシーンを頻繁に入れるためだけの設定ですが、この潔いアホさは嫌いじゃないです。
とりあえずツッコミどころ満載な点についてはスルーするのが吉、深く考えたら負け。
何せ学校内に(クマ状態の)主人公を狩らんとするハンターがいるとかわけがわかりませんからね…
ラストはなんだかんだでメインヒロインの天海桜と結ばれてハッピーエンド

主人公は興奮するとクマになる、クマと人間のハーフな高校生の少年。
半分クマなせいか度を超したハチミツマニアで、ハチミツのためならなんでもするところがあり
また、逃げていく背中を追いかけたくなったりと、たまに野生に目覚めることも。
勢いで行動してしまうことが多々ある単純さが目立つが、基本的には気のいい性格をしている。

ヒロインは世界一甘いJK、クマ好きスポーツ娘、狩りガールな委員長、陽気な鮭人間先輩、日中ハーフお嬢様。
一番のお気に入りはハチミツの汗をかくクラスメイトの少女、天海桜。
ぱっちり大きな深い青色の瞳と整った顔立ち、銀色のロングヘア、透けてしまいそうなほど白い肌。
そして、Dカップほどと思われる胸を持つ、静かで可憐な雰囲気の美少女。
匂いを嗅いだ人を惹きつける効果を有するハチミツの汗を流してしまう体質であるがゆえに
杖に汗をかかないよう運動をしないよう努め、無愛想な態度で周囲を拒絶しているが
素は妹思いの良いお姉ちゃんであり、話してみればかなりわかりやすい性格をしている。
なお、清楚な外見に反し相当の食いしん坊だが、本人の料理の腕前は低い。

評価はD。
明らかにおかしい設定だらけなのに、そこを疑問に感じさせない疾走感に優れている作品でした。
キャラに関しては、これ主人公はクズというよりは単に変態なだけなのでは…?
基本的には本能に突き動かされているだけですし。勿論やっている行動そのものはアウトでしたが。
ヒロインたちもやたらと個性が濃い面々ばかりですし、とにかく見ていて飽きがこないのがよかったですね。
本筋は終わってみれば二巻と三巻は蛇足だったな、というのが正直なところ。
一巻終了時点でやるべきことは全部やった感がありましたしね。残念ながら一発ネタを脱しきれなかった印象。
ラブコメ面にしても、最終的にはメインヒロイン以外の面子は何しに出てきたんだって感じの扱いでしたし。