僕は彼女を攻略できない。 三門鉄狼(MF文庫J)
ある日突然自分の役割が宣告される現象「役振り」が多発している世界を舞台にした
ハーレムエロゲ主人公×ハーレムラノベヒロインな間違いだらけの無軌道ラブコメストーリー。
ヒロインと結ばれなかった時のペナルティが男と結ばれるって、ある意味死よりも恐ろしい気が。
個別ルートの有無ゆえに同じハーレムの冠がついていてもエロゲとラノベは同時に成立しない。
という媒体の違いからくるアンサーには納得の一言。確かに個別入ったらハーレムじゃないもんな…
それだけに、じゃあハーレムルートを選ぶ! という主人公の結論には拍手しかありませんが。
主人公は十八歳の誕生日に突然「ハーレムエロゲの主人公」を役振りされた少年。
無個性で目立たず凡庸で特技もなしと、絵に描いたようなハーレムラブコメ主人公の下地持ち。
高校に入学した頃にオタクは卒業しているが、それはあくまで情熱が冷めたからにすぎず
別段黒歴史だと思っているわけではないため、その手の会話は普通にするしエロゲ的発想もする。
自分の知っていることになると、相手の反応そっちのけで説明してしまう悪癖あり。
ヒロインは優等生委員長、小悪魔系妹、快活な幼馴染、合法ロリ巨乳教師。
一番のお気に入りは「ハーレムラノベのヒロイン」を役振りされた優等生クラス委員長、白藤都。
頭の高い位置で結ったポニーテールにスレンダーなスタイル、そして学校でも一二を争う美貌を有する美少女。
成績優秀、品行方正、教師すらも一目置く優良生徒で、性格も真面目で几帳面で勉強熱心と優等生の鑑だが
やるべきことだけをやるのが正しいという生き方をずっとしてきたがゆえに
度を越して時間に厳しく、規則正しく、エンターテイメント知識に疎い純粋無垢な人間になってしまった。
ただ、本人としては決して無駄を嫌っているわけでも、フィクションへの憧れがないわけではない。
現時点(一巻)においての評価はC。
設定が設定なので、ラノベやエロゲに対するメタネタやご都合主義イベントが多いです。
世界観は斬新かつ破天荒で面白いのですが、その一方で結局はドタバタラブコメをやっているだけな感も。
媒体の壁という立場の違いを強調した展開は中々興味深く読めるのですが…
キャラに関しては、主人公は正にザ・ハーレムラブコメの主人公といった感じで没個性ではありますが
それがちゃんと設定とかみ合って意味があるようになっているのが上手いなぁと思います。
属性詰め込みまくりなヒロインたちも、一周回ってインパクトのある可愛らしさに仕上がっていますし。
本筋は今後新ヒロインを加えつつ、主人公側とヒロイン側の間にある設定バグを解決するために頑張る!
という流れで進むと思われますが、問題は続きが出るかどうか。一巻で綺麗に終わってるからなぁ…