スカイライド! 平山ひろてる(一迅社文庫)
携帯型パワードスーツを用いた空中戦闘スポーツ「スカイライド」を舞台にした空戦バトルラブコメ。
女性にしか使えないパワードスーツを使える唯一の男である主人公が、女の子だらけの学園に入学。
という、主人公を取り巻く環境だけ見ればISそのまんまなお約束要素満載作品ですな。
ただ、こちらは基本的にスポーツ色が濃く、シリアス要素も薄めなので、学園青春ストーリー重視っぽいですが。
ラブコメ面は女だらけの環境+ヒロインが全員チョロインということで、状況の土台は申し分ないものの
主人公のやや過剰な鈍感具合が折角のお膳立てを台無しにしている印象。
主人公はスカイライドシステムを世界で唯一起動させた男な少年。
穏やかで受動的な性格をしており、あまり感情をハッキリと表に出さないタイプ。
また、基本的に性根が素直であるためか、思ったことをストレートに口に出すことが多く
ヒロインたちを照れさせることもしばしば。だが当の本人は恋愛にはかなり鈍感だったりする。
やや小心であったり、考え込んでしまいやすかったりと、自身の特別性に反してメンタルは年齢相応。
ヒロインは負けず嫌いな幼馴染、日英ハーフの高飛車お嬢様、天真爛漫な天才後輩。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はD。
差別や陰謀といった面倒な要素がないので、素直にイベントや掛け合いだけに集中できるのがいいですね。
主軸におかれているスカイバトルも華やかですし、王道の学園ハーレムラブコメ展開もグッド。
ただ、描写がブツ切りすぎるというか、前置きや説明がほとんど省略された動的な部分ばかりが描かれているため
話に置いていかれる場面が多く、状況把握や感情移入がしにくいのがマイナス点でしょうか。
キャラに関しても、ヒロインは良くも悪くもテンプレな反応を見せるだけで可愛さの個性がなく
肝心の主人公に至っては、短期間普通に授業こなすだけで日本代表クラスの実力を身につける適当チートですし。
とにかく、全体的にクオリティが低いというか、文章が大雑把すぎるのがこの作品の最大の欠点かと。
設定のシンプルさゆえに話の広がる余地も少ないですし、次巻が出ても期待薄かなぁ。