高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない 宮澤伊織(一迅社文庫)
恋の魔法の暴走を止めるため、事態の解決に奔走する少年のドタバタラブコメストーリー。
ラブコメやラキスケに振り回される主人公の姿が不憫ながらも羨ましい作品ですね。
設定に少々ファンタジー要素が加えられていますが、話の流れそのものは王道路線なのでサクサク読めます。
ラストはメインヒロインの甘紙伊月と結ばれてハッピーエンド。
ただし、他ヒロインたちとの縁も切れていないため、ハーレムラブコメ継続エンドとも?
主人公は恋の魔法を解くために奮闘する羽目になった高二の少年。
普段の態度はぶっきらぼうだが、根は真面目で裏表のない性格をしており
誰が相手でも見たままで判断できる純粋な心の持ち主。
が、ヤンキーを病院送りにしたという噂から、学校内では恐れられ、敬遠されている。
なお、噂は大げさにされたものではあるが、武術部に所属していることもあり、実際に喧嘩は強い。
ヒロインは恥ずかしがりやな優等生、気の置けない幼馴染、ボーイッシュな先輩、人懐っこい後輩。
一番のお気に入りは家族ぐるみで仲がよく、家が隣同士という王道系幼馴染、温森真南。
穏やかで大人しく、控えめ、そして面倒見のよい性格の女の子。
ただ、妄想逞しかったり、思い込んだら一直線なところがあったりと、その内面は結構激しい?
今時逆に珍しい「朝に屋根を伝って窓から入室し、起こしに来る」レベルの幼馴染度を誇っている。
評価はC。
単独ヒロインと結ばれるまでの物語として見ると、一巻完結で綺麗に纏まっていると思います。
挿絵も肉感的でエロ可愛いですし、キャラ萌え系ラノベとしても悪くない出来かと。
すぐそばで発生しているシリアス展開を全スルーしていくシーンなど、かなり笑える描写もありましたし。
ただ、ヒロイン複数のハーレムラブコメとして見ると、かなりマイナス点が多かった印象。
一人だけツン多めだったため、どうしても伊月よりも他ヒロインのほうが魅力的に見えてしまうんですよね。
なのに彼女たちは踏み台にしてイベント用の舞台装置程度の扱いでしかないという。
これで二巻以降も出るのであれば、一巻は伊月回ということで納得できなくもないのですが…