論外エンジニアの無双理論 来生直紀(富士見ファンタジア文庫)
技術と理論で最強を創造する少年による、新たな強さを世界に示す超絶技巧バトルアクションストーリー。
いきなりの決闘、既存兵器を超える特殊な戦闘兵装(双装)、ランク&序列制度、正体不明のテロ組織。
と学園バトルもののお約束要素を詰め込みました系の作品ですが、本来戦う立場ではない技師が主人公
ということで、単純な力のぶつけ合いや特異能力頼りではない、一風変わったバトルが楽しめます。
それにしても、感応性を高めるためという理由こそあれど、この学園の制服露出度高すぎでは…
ラストは世界を救わんと身を捧げた双子の妹の思惑通りに主人公は勝利し、事態は終結。
そして一年半後、主人公たち人類は異種生命体たちとの戦いに赴くのだったエンド。
ラブコメ的にはアズリィがやや優勢気味ながらも明確な決着はつかないまま終了。
主人公は双装技師として学園に編入するはずだったのに、戦兵学科に所属することになってしまった少年。
レンズの小さな丸眼鏡と制服の上から纏っている白衣がトレードマーク。
初対面の相手に対しても自然体で馴れ馴れしく、思ったことをそのまま口にしてしまうタイプであり
常に上から目線で話す偏屈な性格だが、双装については誰よりも深い知識と確かな技術を持っている。
双装の開発と研究に血道をあげており、その他の俗事には無頓着なため生活力は皆無。
また、余計な人間関係を好まない没交渉的なところがあり、全てにおいて論理や効率を優先するタイプ。
ヒロインは生真面目な脳筋騎士、愛が深い幼なじみ。レギューサブに小動物系騎士会長、ドSテロリスト。
一番のお気に入りはアヴァロン新東京支部学内第三位の実力者、アズリィ・アズラーニャ。
煌く白金色の髪と宝石のようなサファイアグリーンの瞳を持つ美少女だが
清楚で繊細な相貌に反し短絡的で暴力的なところがあり、周囲からは「撃滅の戦姫」の二つ名で恐れられている。
生真面目でプライドが高く、義理堅い性格をしており、自分にも他人にも厳しい。
その一方で、色恋に対する免疫がなく、意識するようなことが起きると初心な反応をとることもしばしば。
ちなみに、自身はマッサージが得意だと思っているが、実際の腕前は殺人的なレベル。
評価はD。
専用造語が多いため少々目が滑る感はありますが、説明文がしっかりしているので読みにくさはなかったです。
キャラに関しては、普段は変人そのもの、己を凡人と認識し、それでも一貫して技師としてのスタンスを崩さず
それでいて危地では数多の強敵に臆さずに立ち向かう真摯な主人公の姿が格好良かったですね。
ヒロインをはじめとした女性キャラたちも皆曲者揃いではありますが、それだけに存在感は抜群でしたし。
本筋は必要最低限の明かされるべき謎はきちんと語られ、話そのものも綺麗に纏まってはいましたが
やはり二巻打ち切り完結ということで、詰め込みまくりな駆け足感は否めなかった印象。
主要キャラの掘り下げも不十分でしたし、とにかく全ての点で積み重ねが足りなかったとしか…