ルミナス☆アイドル 庄司卓(HJ文庫)
高校生プロデューサーが幼なじみの少女達をサポートし、学園の頂点へ導くプロデュース物語。
アイドルを取り扱ったラノベというと、現実離れした突飛な設定や展開が付き物なのが常ですが
この作品は昨今では珍しいまでに、青春、友情、努力、勝利を押し出した王道ど真ん中な形で
アイドルがアイドルらしさを発揮しており、そこから作られている物語の輝きと安定感は抜群。
反面、アイドル要素が中心になりすぎているがゆえに、話に遊びがほとんどないのが難点でしょうか。
ラブコメ面は所々でヒロイン側がそれらしきそぶりを見せる場面はあるものの、描写は少なめ。
気になるのはアイドルコースは恋愛禁止というルールですが…
主人公はアイドルユニット「Luminous」のプロデューサーに就任した高校生の少年。
真面目で堅苦しく、慎重なところこそあるものの、誰かのために一生懸命になれる情熱の持ち主。
反面、自分のこととなると無頓着で鈍感になってしまう一面も。
音楽やステージの構成については天才的な洞察力を持っているが、本人に自覚はない。
ヒロインは才能豊かな幼なじみ、男勝りな幼なじみ、天真爛漫な幼なじみ。
一番のお気に入りはアイドルユニット「Luminous」のリーダーな幼なじみ、仁藤耀。
普段は穏やかで控えめと地味な印象の少女だが、一度ステージに上がりアイドルになると
太陽のようなはつらつとした輝きと人を惹きつけ、いつの間にか中心になってしまう魅力を持っている。
私人としては意外とそそっかしく、真面目であるがゆえに気持ちの浮き沈みが極端なところあり。
スタイルは着やせするタイプ。あと、かなり目が悪い(近視)
現時点(一巻)においての評価はC。
舞台が超巨大エンタメ学校である、という事以外は比較的オーソドックスな世界観です。
ご都合主義や超展開が乱発されるわけでもなく、メインキャラたちの絆と積み重ねを重視し
それでいて地味にならない程度の華やかさと爽やかさが備わっている、そんな作品に仕上がっている印象。
なので作品全体のバランスや主役であるヒロインたちの可愛らしさは文句なしなのですが
その一方で主人公の影が薄くなり、彼がいる必要性を感じにくくなっているのは不満点かと。
というか、師匠ポジションのキャラが便利すぎ&存在感ありすぎなんだよなぁ…
本筋は一巻でユニット結成、そして初ライブ成功と掴みはバッチリなので次巻以降は
主要キャラを掘り下げつつステップアップしていく流れになるのかな?