ラスボスちゃんとの終末的な恋愛事情 伊藤ヒロ(GA文庫)
極々普通な男子高校生と、世界を滅ぼす力を秘めた最強のラスボスちゃんたちのラブコメ最終戦争物語。
次々と押しかけてくる少女達は、過去に主人公と婚姻の約束を交わしているのだった!
という王道設定のラブコメものなわけですが、主要ヒロインが全員ラスボスというのが面白酷いw
そして主人公が悲惨すぎである。自分の恋愛に人類存亡がかかっていたり、生活がテレビで速報されたり…
親をはじめとした大人たちは当てにならないどころか、悪ノリする奴らばかりという。
全体的にコメディ調だから深刻さはないですが、これほど羨ましくないハーレム生活はないでしょうね。
ラブコメ面は今のところメインヒロインのアズアトスが優勢のようですが…?
主人公は人類存亡をかけてラスボス少女達と同居生活をおくることになってしまった少年。
成績は真ん中より少し上、スポーツはやや下くらい。身長はちょうど真ん中、友人の数はそこそこ。
と、絵に描いたような「どうってことない若者」で文芸部と新聞部に所属しているバリバリの文化部系。
その手の文化部系男子特有のちょっと冷めた物事の見方をするタイプだが
誰かの危機を目の前にすれば、迷わず助けに動くことが出来る勇敢な優しさの持ち主でもある。
色恋には年齢相応に興味があるムッツリスケベで、巨乳好き。
ヒロインはエセエロ大魔王、幼女な銀河皇帝、ヤンキー系妖怪王、委員長な幼なじみ、メカクレ系後輩。
一番のお気に入りは通称「チカ後輩」な文芸部所属の一年生、溝呂木=ユートリウム=千賀子。
やや大人しすぎるというか、気弱で引っ込み思案なところがあり、いつもモジモジと頬を赤らめているが
品が良く物腰も丁寧で、愛読書はリルケ詩集といかにもな深窓の令嬢型文学少女。
ただ、大人しそうな顔と性格に反し、自己主張の激しい巨尻(胸もそれなりに大きい)の持ち主でもある。
家が貧乏であり、普段は学校に通いながら家計のためにアルバイトをしている苦学生だが
その正体は地上侵略を目論む、地底民族モグラニアンの女王にしてラスボスの一人。
現時点(二巻)においての評価はC。
とにかくキャラが皆明るくドタバタしている話なので、肩の力を抜いて読むこと出来ます。
典型的な「深く考えたら負け」タイプの作品ですね。ひたすらに雰囲気を楽しむべし。
キャラに関しては、この手の作品ではよく見かける毒のない巻き込まれ系の普通人が主人公で
個性(+武力)豊かなヒロインたちが彼を振り回すという構図なわけですが…
ありきたりであるがゆえに新鮮味はないものの、それだけに安定感のある掛け合いが良い感じ。
G8首脳を筆頭にした、脇を固めるサブキャラの存在感も良い意味で抜群ですしね。
本筋はドタバタラブコメ劇の裏で暗躍する黒幕(宇宙意思)っぽい存在がいるようですが
まあ、作風的に考えて深刻なシリアス展開にはならないでしょうし、オチを楽しみにしたいところ。