俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 裕時悠示(GA文庫)
偽彼女と他のヒロイン達の間に挟まれて、修羅場に苦悶する主人公のドタバタラブコメディ。
修羅場といっても基本的にはコミカルな雰囲気が強いので読んでいて胃が痛くなることはあまりないです。
主人公側には基本的に(少なくとも最初のうちは)あまり非はないので不快感を覚えることもないですし。
話が進むごとに色々やらかしを積み重ね、段々自業自得な雰囲気になってきてはいますが。
ラストは、アラサーになっても、南の島でも修羅場は永遠に続いていくよエンド。
ラブコメ的にはハーレムエンドで終了…になるのだろうか? 結婚どころか全員童貞&処女のままですがw
主人公はある日突然話題の美少女から告白(脅迫)され付き合う羽目になった高校生。
両親の不仲から、恋愛アンチ姿勢をとっており恋愛ごとには拒否反応を示す。
ただし女体に興味がないわけではないので、作中ではヒロインたちに結構欲情してたりする。
クソ真面目な性格で、こうと決めたら脇目も振らず行動する向こう見ずで熱いところもあったり。
過去に中二病を患っていて、その頃のことは黒歴史になっている。たまに再発したりもする。
医者を目指していて、成績は学年トップ。家事も一通りできてそれなりに男としてのスペックは高い。
ただし容姿は並以下なのでモテてはいない、ラノベの世界も「ただしイケメンに限る」という切ない例。
ヒロインは毒舌悪魔な夏、元気系幼なじみな春、妄想過多な秋、ツンデレな冬。
一番のお気に入りは前世の彼女(つまりは元カノ)を自称する黒髪おかっぱ娘、秋篠姫香。
一見すると口数の少ない真面目そうで清楚な雰囲気の大和撫子だが、実は現役の中二病患者でゲーマー。
さらに、友達は欲しいけどコミュ症という、外見に反して残念な部分が多い少女。
主人公と出会ったことによって徐々に人間関係に積極的になってきているものの、中二的思考は変わらず。
中二病(妄想)を共有できるということで主人公に好意を抱いており、かなりベタ惚れでアタックも大胆。
しかし性知識には疎く、自身の行動をちゃんと自覚していない模様。
評価はC。
ヒロインたちはそれぞれ魅力的ですが、テーマの都合上主人公が割を食ってばかりなのがマイナス点でした。
ある程度は自業自得だとしても、夢にひたむきな彼が何故ここまで彼が苦労しなければならないのか…
まあ、物語の後半に入ってようやく報われ始めた部分もあるので最終的な収支はプラスなのでしょうが。
彼に好意を持つヒロインたちは皆クセこそ強いものの、魅力の輝きは申し分ないですしね。
本筋はタイトルに違わず、コミカルに、そしてシリアスに多種多様な修羅場が描かれ続けてきたわけですが…
最終巻に至るまで、軽すぎず重すぎず、しかし面白い修羅場を楽しませてもらいました。感無量。
締めも実にこの作品らしかったですしね。ただ、主人公たちはこの後もずっと童貞で処女のままなのだろうか。