姫さま、世界滅ぶからごはん食べ行きますよ!   おかざき登(MF文庫J)



気分が沈むと世界を滅ぼしてしまうという厄介な力を持つ、異世界からやってきた姫による
世界滅亡の危機を回避するため、美味しいごはんを食べに行こう! な飯テロコメディ。
背景は物凄い深刻なのに、まったくそれを感じさせずに和気藹々と食事するという構図が笑えます。
しかし食事シーンの描写が良すぎて、読んでいるだけでお腹がすいてくるんですが…
ラブコメ面は今のところメインヒロインのロフィーナと幼なじみの紅緒の一騎打ちの構図になる模様。
この場合、まず後者に勝ち目がないのがお約束ですが、はたして。

主人公はある日突然異世界からやってきた姫ロフィーナの面倒を見ることになってしまった少年。
両親が仕事で長期不在のため多少は料理をたしなむだけのどこにでもいる普通の高校生だが
自分が間違っていると思ったことに対しては、誰が相手でも立ち向かえる度胸を持っている。
大らかで面倒見がよく、頭も悪くないため、女の子からはそこそこ人気があるが
幼なじみの正妻(紅緒)がべったりなのと、本人が度を越えた鈍感であることが原因で彼女はいない。
好きな食べ物はハンバーグ、カレー、鶏のから揚げ、フライドポテトなど。

ヒロインは異世界姫、ゆるふわ幼なじみ。サブに物書き大学生、真面目な才媛、天才幼女博士。
一番のお気に入りは主人公のお隣さんにして幼なじみの少女、久保田紅緒。
ふわふわした質感の長い髪、少し垂れ気味の目、年齢にはそぐわないほどの豊かな胸を持つ美少女で
見た目の印象通り、温和で家庭的、そしてポジティブで感受性の強い性格。
また、主人公に対しては面倒見がよいを通り越して押しの強い、めげない面を持っている。
他のことは大抵ちょっと頑張れば器用にこなせるようになるのだが、何故か料理だけは例外で
健康を気遣うあまり、珍妙な味になってしまうため、周囲からは大不評だったりする。
フルーツやお菓子などの甘いものが大好きなのだが、カロリーが気になるお年頃。

現時点(二巻)においての評価はC。
主要キャラがだべりながら美味しい料理を食べるだけ。言ってしまえばこれが全てな作品かと。
まあ、背景では世界が滅亡しかけていたり、国家権力が使われまくりだったりなわけですが。
とはいえ、大事ではあってもシリアス面は表に出てこない構成になっているので安心して読めます。
キャラに関しても、レギュラーに気の良い面々が揃っているので不快感を覚えませんしね。
本筋は基本的に「世界が滅亡しそうになる→料理を食べに行く」のサイクルで進んでいくっぽい?