弱キャラ友崎くん 屋久ユウキ(ガガガ文庫)
少年がひた走る人生クソゲーの道を阻止する、まさかの美少女指南で神ゲーな人生攻略ラブコメストーリー。
スクールカーストを基盤にしたキャラ改革ものの場合、色々な面で極端から極端に走る作品が多いですが
この作品はリア充を育成する手段や過程が実際にリアルでも通用しそうなくらい理論的で実践的。
それでいてラノベ風に読みやすく描かれているので、珍しさも相まって楽しみながら読むことできます。
人と人とのコミュニケーションに重点が置かれているので説得力があり、共感しやすいのも良い感じ。
ラブコメ面は七巻で菊池風香と恋人同士になり、ヒロインレースは決着。
メインヒロインである日南葵はあくまでラスボスポジションであり、主人公の恋愛には関わらない様子。
主人公は人生という名のクソゲー、あるいは神ゲーに真剣に挑むことになった高校二年生の少年。
誠実で、自分の考えをそのまま喋ることは得意だが、考えすぎて一歩が踏み出せないなど、メンタルが弱い。
また、卑屈で自分に自信がなく、常に辛気臭いオーラを背負っており、思考もひねくれている。
とどめに、他人と話す時は気後れしてどもりがちな上、ぼそぼそ口調と典型的なコミュ症。
ただ、それらは日南葵の助力と自身の努力によって徐々に改善されていっており、リア充化進行中。
実は現状最もメジャーなオンライン対戦ゲームで日本一の腕前を誇るゲーマー。
ヒロインは努力型完璧超人女子、ムードメーカー女子、本好き女子。
一番のお気に入りは本好きな風変わりクラスメイト、菊池風香。
色白の黒髪ショートカット文化系女子、というありがちなカテゴリにまとめるには勿体無いほどの
独特で繊細な雰囲気を持った妖精のような美少女で、物腰は穏やかにして上品。
同級生にも敬語で喋り、口調もおっとりとしているため、どこか浮世離れした印象が強い。
周囲には隠しているが、実は本好きなだけではなく、自身でも小説を書いている。
また、ハンバーグ屋でウエイトレスのバイトをしており、その時は眼鏡着用。
現時点(十一巻)においての評価はC。
主人公が非リア充スタートであるにも関わらず、悪い意味でのスクールカースト描写が控えめで
その上で人間的な成長に重点が置かれているため、後味のよいすっきりとした青春模様が楽しめる作品です。
ファンタジー要素は一切なく、大きな山場やピンチも少な目なので劇的な展開こそないですが
それだけに、失敗しながらも努力をコツコツ積んでいく主人公の姿には思わず応援したくなる魅力があります。
ヒロイン側は、メインヒロインの日南葵は指南役&相方ポジションとしてこれ以上ない存在感がありますし
他ヒロインたちも成長していく主人公のお相手候補として魅力的な娘ばかりなのがグッド。
本筋はいよいよ最終ステージ。皆の力を合わせて最後に倒さなければいけない魔王なヒロイン討伐へ。