銀麗弓姫と甘くない魔法 神秋昌史(スーパーダッシュ文庫)
甘さを神聖視する世界を舞台にした、極甘スウィーツ系ファンタジーラブコメ。
甘味=魔力という突飛な設定に相応しく、ダーク&シリアス色はほぼ皆無。
全体的にテンションの高い、ノリのいい軽妙な掛け合いを楽しむタイプの作品ですね。
バトル要素も一応ありますが、おまけ程度の扱いなので注目するほどではないですし。
ラストは主人公たちの活躍によって国の危機は救われ、めでたしめでたしエンド。
ラブコメ的には、兄妹のように育ってきたメイリーとの関係が一歩進むための物語として上手く纏まっていた印象。
主人公は甘いものが苦手な王国最強の若き魔導士。
基本的に真面目な性格をしており、魔導士としても参謀としても有能。
しかしそれゆえに、破天荒な周囲に振り回される苦労人だったりする。
人畜無害そうな草食系男子だが、実はムッツリスケベ。
ヒロインは年下の幼馴染姫。サブヒロインに巨乳司教、心優しい歩兵隊隊長、Mな首領魔女。
一番のお気に入りは国境を守る総統にしてお姫様な幼馴染、メイリー・E・ホイロッサ。
肩書きに似合う尊大な口調の持ち主だが、おだてに弱かったり、感情が表に出やすかったりと
チョロくてわかりやすい、要するに子供っぽい性格をしている。
また、やたらと行動力があり、猪突猛進で一度言い出したら聞かないなど、お転婆な面も強い。
が、年頃の女の子としてはとても不器用で、色恋方面ではヘタレることも多かったりする。
評価はC。
とにかく、メインヒロインであるメイリーのワンコ可愛さが全てですね。
主人公のことが大好きなのに、意地を張ったりヘタレたり嫉妬したりしている姿が実に愛らしい。
他は、それらを引き立たせるスパイスでしかないといっても過言ではないでしょう。
それだけに、サブヒロインを対象にしたお色気イベントの連続はやや余計だったというか
折角のセールスポイントをブレさせていた感があり、そこが残念な点だったかと。
個人的には続きを読んでみたい作品ですが、設定が完全に一発ネタなのが…