都市伝説系彼女。 おかざき登(ダッシュエックス文庫)
怪奇現象に好(憑)かれまくる美少女を皆で救う、ゆる〜くカワいい怪談青春ラブコメ。
大枠としては特殊部活動が軸になっている学園日常コメディものということになるのでしょうか。
都市伝説や学校の怪談が取り扱われてはいますが、基本的に出てくる幽霊や怪奇現象は残念系ばかりなので
ホラーっぽさはそれほど強くはなく、非日常でありながらも日常の色が濃い作品に仕上がっています。
あと、度々描写される怪奇現象関連の薀蓄や現実的解釈な考察も読んでいて結構面白い。
ラブコメ面はヒロイン二人が主人公に好意を持っている様子ではあるもの、進展は遅め。
主人公は久喜島永遠子を救うための部活、通称「文類研」を立ち上げ、所属することになった寺の息子。
真面目で堅物な性格をしており、非科学的なことを一切信じない合理主義者。
また、華奢で眼鏡というひ弱そうな外見に反し、怖いもの知らずであり、相手が先輩や幽霊であっても
全く物怖じせず、言いたいことはハッキリと言うタイプでもある。
ただ、なんだかんだで困っている人を見捨てられなかったりと、根はお人よし。
何気に料理上手であり、多めに作ってきたおかずを友人達にお裾分けすることも。
ヒロインは薄幸系な同級生、怖がりな猫系幼なじみ。サブに霊感体質お嬢様なども。
一番のお気に入りは何故かやたらと怪奇現象に好(憑)かれまくる少女、久喜島永遠子。
少し垂れ気味の優しそうな目、通った鼻筋と桜の花びらと見まごう唇、白さと健康さを兼ね備えた肌。
そして、高校生離れしたサイズの胸と全身に纏った穏やかそうなふんわりとした雰囲気が印象に残る少女。
相手が怪奇現象であっても、親身になって同情し、心配の言葉をかけてしまうほどの極度のお人よしで
ちょっと天然&控えめで良い子な性格も手伝ってか、断ることが苦手。
洗礼を受けてはいないが、祖母の影響でクリスチャン精神の持ち主でもある。
現時点(二巻)においての評価はC。
ホラーが題材になってはいるものの、中身は軽めの掛け合いをメインにした日常主体の話であり
その上、下ネタやラッキースケベイベントがそれなりの頻度で出てくるため、読み味は軽快。
キャラに関しても、常に冷静な態度でオカルトをバッサリ否定する主人公はブレがなくて頼もしいですし
怪奇現象に振り回されながらも明るい雰囲気を崩さないヒロインやサブキャラたちにも好感が持てます。
本筋は話題に上がった怪奇現象を解決し、次の話へ。という短編連作方式で進んでいくようですが
どうも二巻のあとがきを読むに、三巻が出る可能性は低いようで…