異世界娘と田舎生活 葉巡明治(ダッシュエックス文庫)
田舎生活を求めてやってきた魔神と個性なき少年の、平凡な日常ぶち壊しコメディストーリー。
分類としては最近増え始めた田舎でのんびりゆるゆる系スローライフコメディものですね。
ただ、主要登場人物の中に異世界の魔神がいるだけに、常識外れな騒動も多数描かれています。
短いエピソードが連続している短編連作構成なのでストーリー性は薄めですが、その分読みやすさは抜群。
キャラ間でのボケツッコミ会話もテンポがよく、お約束の現代日本文化に驚く異世界人。
というイベントもきちんと用意されていますし、気軽に読み進めることが出来る作品です。
ラブコメ面は今のところ進展なし。一応、主人公には好きな人(幼なじみ)がいるようですが…
主人公は異世界からやってきた魔神ビネコにパートナーとして選ばれてしまった少年。
選ばれた理由は「特に個性がなく平凡だった」というものであり、実際その評価は間違っていない。
ちなみに、異世界人からは「伝説のモブ」としてその存在を認知されている。
人畜無害でお人よしな性格をしており、困っている人を見捨てられないタイプ。
また、都会に憧れる級友達とは逆に、平和でのんびりとした田舎での日常を愛している。
ヒロインは尊大な魔神、生真面目な女騎士、純粋なダッチワイフ、純朴な幼なじみ。
一番のお気に入りは魔神ビネコと敵対するセラキア騎士の筆頭、レクシィ・レットハート。
しっとりと肩口まで垂らされた白い髪、淡雪のように白い肌、身を包む純白の鎧。
と、白尽くめが印象的な美少女で、性格は誇り高く生真面目で義理堅く、勤勉で正義感が強い。
それに加え、常にポーカーフェイスで口数が少なく、口調も淡々としているため
取っ付きづらいように見えるが、真面目すぎて向こう見ずであったり、押しに弱かったりと
実際に付き合ってみると結構わかりやすい性格をしている。
現時点(一巻)においての評価はC。
少々のシリアスこそあれど、良くも悪くもタイトル通りの毒のない作品ですね。
田舎よりも都会のほうが良いと主張するキャラがいないので、延々と田舎生活が続くだけですし
常識外れな力を持つ異世界娘達も皆多分にポンコツであるため、緊迫感のある展開にはなりません。
その分、主人公が苦労しまくりなわけですが、描写の軽さもあって不快感を覚えるほどではないかと。
本筋はこのまままったりした田舎生活が描かれていくようですが、最終的にはどう締めるんだろう…