レベル１落第英雄の異世界攻略　　　真代屋秀晃（電撃文庫）



元の世界に帰るために異世界攻略を目指す少年と残念な仲間達のドタバタストーリー。
異世界召喚＋ダンジョンで冒険と掴みは王道ファンタジー風ではあるものの、中身は日常系要素濃い目。
実際、半分くらいは部活動という名のテレビゲームとラブコメをやっているだけですしね。
勿論、シリアス風なバトルも用意されてはいますが、全体的にはコミカルな雰囲気のほうが強いですし。
そもそも、召喚理由（夫婦喧嘩巻き込まれ）からしてラノベ史上かつてないレベルでくだらないわけで…
ラブコメ面は部活メンバーに対するフラグ立てが着々と進行しているようですが…？

主人公はしょうもない理由で異世界アストラフトに転送された、現代日本に住んでいた平々凡々な少年。
実はかつてアストラフトを救った英雄の息子なのだが、特に秀でた才能は持っておらず
運動も勉強も苦手、魔力はゼロ、ビビリでヘタレな性格。とむしろ普通以下の落ちこぼれ。
また、行動力こそあるものの、注意力や観察力に欠け、詰めが甘いため、ピンチを招くこともしばしば。
時折斬新な発想力を見せることがあるが、その内容は当たり外れが激しい。
元の世界では料理研究部に所属しており、料理好き。ちなみに同部の女の子に惚れている。

ヒロインはゲームオタク娘、不良なハーフ魔族、守銭奴の行商人、ロリババアな学園長。
一番のお気に入りは魔王志望の魔族と人間のハーフ少女、ナルミエ・ベルトワーズ。
さらさらの長い金髪、プロポーションのとれた完璧なボディ、二重まぶたで切れ長の瞳
という息を呑むほどの美少女だが、札付きの不良という評判ゆえに近づく者がおらず、ぼっち。
己の身体に流れる魔族の血を誇りに思い、魔族らしくアウトローであることを信条にしているが
しかしその実、ツンデレ気質なところこそあるものの、苦手なものが多く、かわいいものが好きで
部屋はファンシーなぬいぐるみで溢れており、趣味は武器のコレクション、ぬいぐるみ集め、裁縫と料理。
更に毎朝家の前を掃除していたりと、家庭的な女の子らしい女の子だったりする。

現時点（三巻）においての評価はＣ。
テンポがよく、明るくノリのよい雰囲気の文章が主流なのでサクサク読めるのがいいですね。
日常パートと冒険パートがちゃんとリンクしている構成も上手いと思います。
キャラに関しては、残念な面が強いながらも個性豊かなヒロインたちが華やか＆賑やかでグッド。
反面、主人公は特徴がなく地味すぎるというか、ヒロインたちに存在感を食われている感が…
本筋は元の世界に帰還する方法を得るため、天空の遺跡にを目指すという目的が掲げられていますが
道が開かれる条件がふわっとしていることから、しばらくはゆるゆるな展開が続きそう？
しかし一巻でいきなり主人公がレベルアップしてタイトル詐欺になっているんですがそれは。