くすぐり闘士の無魔術乱舞 仁科朝丸(ファミ通文庫)
美少女たちをアノ手コノ手でくすぐり倒す限界ギリギリバトルファンタジーストーリー。
読んでいて思わず「これは酷い」と言いたくなる能力や特技を持つ主人公は数多いですが
この作品の主人公の特技は一際酷すぎである。しかも先天的なものではなく、流派として修得してるとか…
いや、説明されてみれば意外に合理的だし実戦でも強いのは確かなのですが、それにしてもなぁw
客観的には変態にしか見えませんしね。活躍すればするほど周囲はドン引きという。
まあ、内容が内容であるゆえにヒロインたちのお色気シーンが頻繁に発生するので目には嬉しいのですが。
ラブコメ面はヒロイン二人の主人公への好感度は高めではあるものの、進展具合はまだまだなので今後に期待。
主人公は誰もが魔術を使えて当たり前の世界で、魔力無し(ゼロ)として差別を受けてきた少年。
趣味は体を鍛えることで、くすぐりを駆使して戦う「ゼットー流」を修得している。
真面目で勤勉、正義感が強く、熱くなりやすくはあるものの後に引き摺らない性格。
また、自身を恥じないまっすぐさと、どんな強敵にも臆せず立ち向かう心の強さの持ち主でもある。
ただ、その実直さと天然気味な性質が相まって、デリカシーのない言動を取ることも多い。
同世代の中で抜き出た記憶力と身体能力を有していたりと、魔力以外の面ではかなりの高スペック。
ヒロインは高飛車エリート娘、マイペースな幼なじみ。
一番のお気に入りは「氷河の女帝」の異名で呼ばれる幼なじみ、メリッサ・ヒューバート。
肩の高さで揃えられた白銀の髪、透き通るような白い肌、アイスブルーの煌きを帯びた瞳、抜群のスタイルを
有する、冷たく研ぎ澄まされた美術品にも似た、見る者を圧倒する空気を放っている美少女。
いつも無表情でぼーっとしており、口を開いても抑揚のない声で端的な喋り方(しかも時折毒舌)をする上
試合になると人が変わったように冷徹になったりと、一見すると何を考えているのかわからないタイプだが
内面は感情豊かであり、特に大好きな主人公が相手だと子供っぽさやエロさを見せることもしばしば。
現時点(一巻)においての評価はC。
変態と紙一重のくすぐり技を用いながらも、守るべきもののために真剣に戦う主人公の姿が実に熱い。
それでも傍目には変態の所業にしか見えないので、どうしても笑ってしまう割合のほうが大きいですが。
あと、メインヒロインのルルファは上から目線で勝気と嫌われがちなタイプの性格ですが
そのプライドの高さゆえにくすぐりの被害に最もあいやすいという位置付けが似合いすぎですし
もう一人のヒロインであるメリッサは天然エロ可愛かったりと、ダブルヒロインのキャラ付けも実にグッド。
話の展開にしても、世界観的に無能である主人公を侮り、馬鹿にしてくる敵を撃破するカタルシスが
キチンと描かれていますし、エンターテイメント性という点ではかなり優れた作品だと思います。
本筋は難病の妹を救うため、治癒の鍵となる犯罪者を見つけ出し、倒さなければならない。
そしてそのためにはまず学院のランキングで一位になる必要がある、と目標はハッキリしていますが…?