二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい   冬樹忍(HJ文庫)



一人暮らしオタクライフを守るために彼女を作ろうと自己改革を(無理矢理)頑張る話。
ほぼタイトル通りの作品です。なので特に捻りもファンタジー要素もなく安心して読めます。
ただし作者の趣味なのか、やたらかなりギリギリな調教シーン(主人公のやってるゲーム内のこと)
こっちのインパクトのほうが本編よりも強すぎる罠。
あとはまあ、主人公がオタ野郎であるにも関わらず普通にモテてるあたり、そもそも頑張る必要あるのかと小一時間。

主人公はオタク趣味に邁進する眼鏡搭載の高校生。
一人暮らしが長いために一通り家事全般は出来る様子。
基本的に調子に乗りやすく、そして打たれ弱い、ただし趣味への執着はかなり高い。
現実の女の子への興味はそれなりにあるが、ゲーム優先だったりヘタレ根性全開だったり単に面倒くさかったり。
と、要するに駄目人間なのだがその考え方には実に共感できます。
でも身近な美少女達に好かれてるあたり、やはり所詮はラノベの主人公。リア充め!と羨まざるをえない。

ヒロインは再会した幼馴染、小説家なクラスメイト、実はオタクな生徒会長。
主人公の所持するゲームのヒロインと現実のヒロインがリンクしてる部分から考えると…
最終的には十二人に増えることになると予測できるが、どうなんだろうか? 今の三人で鉄板っぽいけど。
一番のお気に入りは内気なクラスメイト、四季花凛。
実は現役のプロ小説家であり、推理小説大賞を受賞したこともある才女。
大人しく控えめな性格で、外見も文学少女三つ編みで清純かつ儚げな風貌とイメージと実物が一致している。
オタクでもあり、関係イベントには必ず足を運ぶほど熱心。

現時点(一巻)においての評価はC。
読みやすさと設定のアッサリさが良いと思います。
ただ、それだけに上積みの余地がないというか、オタクな主人公が恋人作りを頑張るだけじゃ無理がある感じ。
実際のところ、ヒロインの誰かに告白したらもうそれで終わりだからなぁ。
一巻どころか序章で終わるのが自然な話を無理矢理引き伸ばしてる感はありますかね。
とはいえ、今後ヒロインが増えてのドタバタ劇になるようなら続きを読んでみたいですが…
こういう無駄にシリアス要素のないラブコメオンリーの物語もアリだとは思いますし。