天啓的異世界冒険譚 ウスバー(ファミ通文庫)
神が与えしチート(無駄)能力が炸裂する稀代の転生譚。
ネット小説ではお馴染みの「事故死からの神様パワーによる異世界転生もの」ですね。
お約束通、チート能力をもらってのスタートになりますが、ゴミ能力だらけなのが面白い。
世界観も、亜人、モンスター、魔法など、基本的な部分はファンタジーらしくなっているものの
かなりゲーム的ご都合主義色の濃いシステムが構築されており、シリアス&バトル描写に関しても
必ずオチがつく形になっているので、全体の雰囲気は緩く軽くの印象がかなり強いです。
ラブコメ面は主人公が鈍感な上、ラブコメ反応に欠けるため、今のところ目立った進展はなし。
主人公は車に轢かれて異世界に転生することになってしまった少年。
通常の二十万倍の転生ボーナスを得るも、想像を絶するゴミ能力を手にする羽目に。
周囲から「何でそんなにツッコミに命かけてるの?」と言われるほどのツッコミ体質の持ち主。
どちらかといえば頭脳(ずる賢さ)で物事を成していくタイプで、思考の切り替えも結構早い。
また、土壇場でも冷静だったりと、ツッコミ時を除けば落ち着いた性格だが、根は破天荒。
言い訳の多いお人よしで、約束を守ることにかけては人よりこだわりを持っている。
ヒロインは白猫女神、生真面目な元騎士、ドMくのいち、イタい子同級生、ボクっ娘猫耳族、おっとり修道女。
一番のお気に入りは騎士崩れの女冒険者、アスティエール・ベル・フォスラム。
実直で正義感が強く、堅物。そして、独善のきらいはあるものの気高い心を持っている。
また、優れた美貌と高い戦闘能力に加え、騎士時代は比類なき名声も兼ね備えていたのだが
その性格ゆえに搦め手に弱く、そこをつかれて騎士の座を追われることになった過去を持っている。
私人としては割と自意識過剰なところがあり、気も強く、気は回らないが気を遣うタイプ。
主要キャラの中では一番の常識人にしてチョロインだが、だからこそ不憫な扱いを受けるというポジションに。
現時点(三巻)においての評価はC。
ウザ可愛い猫幼女神とのオラクル会話を筆頭にしたボケツッコミの応酬が賑やかで楽しい。
ゴミ能力を活かした展開や、伏線の使い方も意外性と笑いがあって良いアクセントになっていますし。
それに加え、主要キャラも皆一癖あって個性がしっかりしていますし、とにかく呼んでいて退屈しません。
本筋は一応世界を救うという目標が提示されていますが、現時点では具体性がありませんし、しばらくは
お気楽冒険者生活が続くのかな? ……と思っていたら次巻からは学園編が始まる模様。