七人の魔女と灰被りの空の御剣者   真野真央(MF文庫J)



色を司る魔女たちによる魔女戦争によって灰色一色となった世界を舞台にしたバトルアクションストーリー。
作中世界が灰色一色ということは、モノクロな挿絵そのままの世界ってことなんですよねこの作品。
それだけに、例外として色のある魔女が凄く鮮明な存在感を放っているのが印象的です。
また、色彩がないがゆえのキャラそれぞれの価値観も中々に興味深いですね。
色を軸にすえた三種の魔法を駆使したバトル描写も独自色があって結構読み応えがあります。
ラブコメ面は一蓮托生の契約を結んでいることもあり、相手はメインヒロインのグレンカのみ?

主人公は人に害を為す無色透明の亡霊モルスから街を守る組織「討伐局」の局員を勤める少年。
戦闘技術だけならば逸材といってよい腕前なのだが、言動がぶっきらぼうで協調性がなく
独断専行で仲間に迷惑をかけることが多いため、局内では問題児として扱われている。
が、素行に反し、性格は冷静で思慮深く、頭も回り、知的好奇心も強い。
根が熱血であるがゆえに、自分の目的を優先するあまり他を蔑ろにしてしまうタイプ。

ヒロインは純情乙女な魔女。
一番のお気に入りは二代目「赤色の魔女」ことグレンカ・ビスカーレット。
幼さを残しつつも目鼻立ちの整った顔と、小柄ながらも豊かな胸の膨らみを持つ美少女で
良く言えば素直で明朗快活、悪く言えば馬鹿正直で超のつくお人よし。
また、色古沙汰にはとても初心であり、かなりの恥ずかしがり屋でもあったりと
魔女という肩書きから想像する妖艶さは欠片もない、年齢相応の女の子らしい性格をしている。

現時点(一巻)においての評価はC。
設定は特徴的で面白いのですが、それだけに説明描写が多いのが難点です。
その分、世界観を理解しやすくはあるのですが。一巻の時点で出し惜しみなく情報が開示されますし。
キャラに関しては、理知的で、しかし熱い心を持つ主人公と明朗快活なグレンカのコンビが
色々な意味で暗い世界に風穴を開けてくれそうな期待感を持たせてくれますね。
本筋は世界に元の色を取り戻すという単純明快なゴールが定まっているため、完結は早そうですが…?