クズだけど異能バトルで覇権狙ってみた 三門鉄狼(MF文庫J)
神と人がタッグを組んで戦う「最終戦争」で勝ち残り、世界滅亡を目指す少年の残念系異能バトルストーリー。
相棒が美少女な神様、勝ち残れば願い事が叶うバトルロイヤル、異能バトル。
と、要素だけ見ると実にテンプレ的な作品ですが、一風変わっているのは主人公がガチのクズという点でしょうか。
世界平和や大事な人のためではなく、世界を滅ぼすために戦いに身を投じるというのは結構斬新?
ただ、負けても関連の記憶を失うだけで、ダメージも現実に持ち越さないのでバトルの緊迫感はイマイチかも。
ラブコメ面は主人公がぼっち主義ということもあり、描写は薄め。
主人公は世界を滅ぼすという願いを叶えるために最終戦争へと参戦した少年。
友情や信頼は全て偽物だと考え、自分で自分をクズと称している。
学校では誰とも関わらず、触れ合わないようにぼっちポジションに望んでついている。
いつも死んだ魚のような目とローテンション、斜に構えたクズ思考をしており、疑り深く臆病な性格。
警戒心の強い性格でもあるため、戦闘では罠や逃走などの卑劣な手段を平気で使うタイプでもある。
表面上は無表情のすました態度が常だが、根がヘタレなので、内心ではテンパっていることも多かったり。
ヒロインはハイテンション女神、親しみやすい幼馴染。
あと、サブポジションに薄幸の戦災孤児、色気満点女神なども。
一番のお気に入りは幼い頃の突然の別れを経て再会を果たした転校生な幼馴染、白宮マシロ。
名前とは裏腹な黒髪、透き通るような肌、怜悧な眼差し、ほっそりとした身体。
と、彫刻めいた美しさを持っており、実際、緊張した時や集中している時は整った無表情を見せるが
そのパッと見の毅然とした雰囲気に反し、性格は明るく朗らかで誰とでも仲良くなれるタイプ。
また、すぐにドジを踏んでしまうような間の抜けたところもあったりする。
現時点(一巻)においての評価はC。
アンチ正統派主人公といっても過言ではない主人公の捻くれ思考っぷりが見ていて実に楽しい。
まあ、いまひとつ突き抜けっぷりが足りないというか、情に流されるところもありますが…
それでも、イザ行動を起こせば容赦がないのは一貫性があって好感をもてますね。
あとは、最後までこのキャラを貫けるかどうかが評価の分かれ目になりそうな気がします。
ヒロインたちはまだ掘り下げが不十分なのでなんともいえませんが、皆明るい性格のキャラなので
陰性キャラの主人公とバランスが取れているのではないかと。
本筋は一巻で「ザ・主人公」な敵を倒しちゃったので、次巻の展開が難しそうですが…?