神様ライフ 気がつけば毛玉(角川スニーカー文庫)
少年は大志を抱かない、勘違い神様の自由気ままなプア充ライフストーリー。
異世界召喚+主人公最強&チート能力。と、お約束二本柱を軸に据えている作品です。
一応魔王や魔物が存在する世界観ではありますが、深刻&シリアスな展開はほとんどありません。
バトルが入る描写を含め、そのほとんどがサラッと流されますしね。
ラストは魔神討伐を果たし、騒がしくも愉快な神様ライフはまだまだ続くよエンド。
ラブコメ的にはヒロイン二人が火花を散らす修羅場風味の状況のまま終了。
主人公は突如訪れた異世界にて、神様と勘違いされた大魔法使い。
異世界ではレベル150のマジック・ルーラーの力を持つが、中身は至って普通の高校生。
無気力で楽観的で面倒臭がり屋。また、人を疑うことに不慣れで、お人よしな性格をしている。
にぎやかな場所をあまり好まず、友達と遊ぶよりも一人で何かすることを好む。
権力欲や英雄願望はほとんどない。良く言えば謙虚、悪く言えば小心者で将来はプア充志向。
必要最低限の慎重さや良心こそ持ってはいるものの、典型的な現代っ子な少年。
ヒロインは無表情ドSメイド、信仰心過剰な巫女のダブルヒロイン。
あと、サブヒロインに箱入りな英雄の娘、犬獣人幼女、強引な聡明王女。
一番のお気に入りは次代の英雄として期待されている少女、リーゼベル・フォン・ヴェルトハイム。
普段は竜を倒した英雄の娘らしくクールに振舞っているが、実は低レベルで実力は低い。
素の性格も大事に育てられた箱入りのお嬢様らしく、気弱で軟弱、そしてドジ。
しかし、周囲の期待や父の名声に負けぬよう努力を怠らない向上心は間違いなく本物。
また、その純粋さと演技の経験ゆえに嘘やごまかし、そして人の視線や気配に敏感だったりする。
評価はD。
勘違い要素を軸にした軽妙な掛け合いがコメディ重視の世界観によくマッチしており
個性豊かなヒロインたちがそれぞれの立ち位置で上手く存在感を出していた印象。
ただ、肝心の主人公が受身すぎというか、自己主張に乏しすぎたのがマイナス点でしたね。
ほとんど他人の都合で動かされてばかりだったので、全く主役らしい格好良さを感じられませんでした。
本筋は打ち切りらしく、最終巻でいきなりラスボスが登場して即撃退と完全に巻き展開だったのが残念。
メインヒロインであるルナリエッタの掘り下げ回も兼ねていたので、他ヒロインの出番が少なかった上
話のオチも色々省略&ブン投げな感じでしたし…まあ、このグダグダ感こそがこの作品の味ではあったのですが。