たま高社交ダンス部へようこそ   三萩せんや(角川スニーカー文庫)



無気力な少年と社交ダンス部の出会いからはじまるダンス×ラブコメの青春グラフィティ。
社交ダンスというマイナーかつ文章だけでは表現しにくい題材をメインにしながらも
ライバルの存在や、部活の統廃合を賭けたダンス大会対決といった点でスポ根要素が。
そして、三日坊主が常だった主人公が徐々に社交ダンスにのめり込んで行く姿と
部活の美少女達と絆を深めていく姿を描くことで、青春ラブコメ要素が上手く前面に出ています。
ラブコメ面は今のところフラグが立っているのはメインヒロインの璃子のみのようですが…

主人公は食べ物に釣られ思いがけず「社交ダンス部」に入部してしまった少年。
身長、体重、見た目など全てにおいて平均的な男子で、これまで三日坊主で何も続けられずにいたが
社交ダンス部との出会いによって熱意が目覚めることに。
場の空気や勢いに流されて強い台詞を発してしまうなど、無気力なようでいて根は熱血なところも。
女子との交際経験はゼロであり、そのためか結構シャイな性格

ヒロインはクール系な同級生、見た目が幼い部長、コスプレ英国人。
一番のお気に入りは常にポーカーフェイスなクールビューティー、麻田璃子。
つり目がちで大きな二重の目が与える印象通り、冷め切ったようなツンとした態度。
そして、常備されたポーカーフェイスに加え、冷たく刺のある言動と雰囲気を持つ美少女。
幼少時から続けてきたダンスに大してはとてもストイックであり、それゆえにダンスをやる気がある人間には
それなりに心を開いたり、素直な一面を見せることも。

現時点(一巻)においての評価はC。
味付け程度ではなく、かなり本格的に社交ダンスについて描かれているため、取っ付き難くはありますが
極端に走らず、薀蓄過多になり過ぎない程度の基本重視表現になっていたので読みやすかったです。
内容も正に王道の青春部活物語! といった感じで綺麗に仕上がっていましたし読後感も文句なし。
キャラに関しては、初めてのめり込めるものを見つけた主人公の成長が見ていて清々しかったですし
ヒロインたちも、それぞれのスタンスで彼をサポートし、打ち解ける様子が良い感じだったかと。
本筋はダンスを絡めつつヒロイン一人一人を掘り下げていく形になるのかな?
しかし主人公の親友が所属しているローアングル研究部の活動風景が地味に気になって仕方ない…!