排出率五厘の支配者 高崎とおる(角川スニーカー文庫)
異世界を救った救世主たちが、ご褒美として地球で平和な日常を過ごす物語。
一応敵対する悪の組織は存在しますが、シリアス的な脅威度は低いので殺伐さはありません。
バトル描写もおまけ程度の扱いですし、基本はひたすら主人公とヒロインたちがラブコメするだけです。
地球でずっと暮らすためには、怠惰(イチャイチャ込み)にしないといけないという設定も
これでもかとばかりにハーレム展開を推しまくっていますし、この開き直りっぷりは好感を抱けますね。
ラブコメ面は一巻時点でヒロイン全員が主人公と肉体関係アリと、ハーレム環境は万全の模様
主人公は元救世主(エターナル・ブレイヴ)たちが住む下宿の管理人な少年。
くじ引きのヒキが抜群&睡眠時間が短くてもいい体質持ちだが、学力や運動能力などのスペックは平凡。
趣味は読書とゲーム。滅多なことでは激することがない、温厚で押しが弱い性格。
ただし、ベッドの上では積極的であったり、複数の女の子と肉体関係を持つことを苦にしていなかったり
イザという時は自分の身を犠牲にしてでも他者を助けることができたりと、雄度は高い。
ヒロインは騎士な姉姫、魔法使いな妹姫、大和撫子な女武者、元アイドル歌手兼海賊の頭目、気だるげな魔女。
一番のお気に入りは異世界の王国の第二王女、ガウェイン・セラフィーナ・リッピンコット。
常に丁寧語ではあるが、口が悪く、態度もぶっきらぼうでツンツンとしていることが多い。
また、暴走キャラな姉を持つためか、控えめでしっかり者な性格をしている。
根は照れ屋で甘えたがりであり、簡単に表に出さないだけで、姉のことも主人公のことも大好き。
現時点(一巻)においての評価はD。
清い関係を貫く、など知ったことかとばかりに、事後まで描写する思い切りのよさには感心の一言。
まあ状況的に我慢する理由もないし、不自然に恋愛関係の進展を引っ張らないという点でプラス評価ですな。
とはいえ、エロ描写そのものはエロ重視の作品と比べると大したことはないのですが。
一方、大きくマイナスになっているのはストーリー性が皆無なことと、設定が全然活かされていない点。
ヒロインとのラブイチャ特化がメインだから、と割り切るにしても少々雑すぎる。
そもそも、肝心のヒロインや主人公のキャラの掘り下げもできているとは言い難いですし…
次巻があるなら、その辺りをもう少しどうにかして欲しいところ。