名探偵×不良×リア充×痴女×決闘者 天地優(角川スニーカー文庫)
偽装を強要された少年少女たちによる偽りのカモフラ&ラブコメ。
分類的にはキャラ同士の残念コミュニケーションがメインの特殊部活動ものですね。
一応ミステリーっぽい要素もありますが、深刻さや難しさは大したことないので構える必要はありません。
軽いノリで進むコメディを楽しむタイプの作品だと割り切ってよいかと。
ラブコメ面は幼馴染の春色里奈が優勢ながらも、確定的な決着はつかずで以下続巻。
主人公は決闘者に偽装し、偽装部の部員となった少年。
中学の頃探偵ドラマの影響を受け、自分で名探偵を名乗っていたという痛々しい過去を持っている。
勿論、名探偵は自称でしかないため、特別に頭が良いわけでも回転が早いわけでもない。
ラブコメものの主人公らしく、打算なしに人を思いやれる優しい心の持ち主ではあるものの
影響を受けやすく、調子に乗りやすく、流されやすく、口を滑らせやすいと基本的に軽率な性格であり
更に、恋愛事に関しては極度の鈍感であるため、三枚目の印象が強いタイプ。
ヒロインは偽装リア充、偽装不良、偽装痴女、偽装名探偵。
あと、昇格候補として性悪生徒会長や弟子入り志願の同級生なども。
一番のお気に入りはツインテールな小柄偽装名探偵少女、冬空美雪。
見た目も中身もいたって普通の可愛らしい女の子なのだが、実は人並み外れた腕力の所持者であり
それが原因で中学の頃、意に沿わず不良グループのリーダーに祭り上げられていた時期がある。
以降、目立たないよう周囲から距離を置いて過ごす生活を続けてきた結果
とても恥ずかしがり屋で人見知りが激しい、常にオドオドな態度をとってしまう性格に。
ただ、過去の名残からか、たまに不良人格が顔を出すことがあったりも。
現時点(二巻)においての評価はC。
コミカルでテンポのよい掛け合いが主体なので、スラスラと読み進められます。
どのキャラも偽装という要素が加わることで個性が際立ち、見ていて楽しいですし。
ただ、肝心の本筋が基本的に茶番な上、薄っぺらい綺麗事と強引なご都合主義に頼りすぎているのが白けます。
そのせいで、主人公をはじめとする主要メンバーが皆悪い意味でのバカにしか見えないんですよね。
彼らの心情にまったく共感できず「え、本当にそれでいいの?」と言いたくなる一方という。
コメディがメインとはいえ、もう少し筋道を通してほしいところですが…