異世界ラ皇の探求者　　　西表洋（ＧＡ文庫）



ファンタジー世界でラーメン道を極めんとする少年の異世界ラーメンマシマシラブコメディ。
ラーメン探求を行いつつ、ヒロインたちとラブコメして過ごしていく日常系の作品ですね。
メシマズヒロインならぬ、メシマズ主人公と周囲の人たちのやり取りが愉快でたまりません。
シリアス要素はほぼ皆無。山場もアッサリ終了するので基本的にストレスフリー。
また、鍼治療の名の下にヒロインを裸に剥いたり喘がせたりと、お色気シーンもバッチリ完備。
ラストは「俺の果てしなく続くラーメン道はまだ始まったばかりだ」エンド。
ラブコメ的には最後の最後まで主人公はラーメン馬鹿のままヒロインたちの好意に気づかずに終了。

主人公はファンタジーな異世界に転生し、ラーメン道を極めんとする最強鍼灸師。
生粋のラーメン馬鹿で、ラーメンのためならどんな苦労も、常識を捨てることすら厭わない。
ラーメンが関わると腹黒く、打算的で頑固だが、それ以外ではお人よしで面倒見が良く、素直な性格をしている。
鍼灸師としては凄腕、魔法的な才能にも恵まれ、戦闘力も一級品で観察力や交渉力もそれなり。
しかし、肝心のラーメン職人としての才能は皆無。というかそもそも味音痴な上、その自覚がない。

ヒロインは精霊族の王女、ロリババアヴァンパイア、エリートな女騎士、元気印の巨乳弟子娘。
最強魔法使い王女、味オンチなドラゴン、ツンデレ貴族娘。サブに宿屋の看板娘。
一番のお気に入りは王女騎士団に所属するエリート騎士、アテナ。
印象的なプラチナブロンドの髪色と、名前にマッチした戦女神のような容姿の持ち主。
礼儀正しく、義理堅く、そしてまっすぐで不正を許さない清廉潔白な性格であり
その美貌と有能さも相まって、民衆からの人気と信頼は国の中でもトップレベル。
ただ、少し天然というか、感激屋で、大げさに物事を受け止めやすい一面も。

評価はＣ。
ラーメンという料理そのものではなく、それをネタに使うことをメインにしたコメディ作品ですね。
ただ、それを踏まえても、客商売で味見なし＆味音痴の自覚なしってのは自己満足が過ぎる気が…
まあ、この辺の粗を「細かいことはいいんだよ」でスルーできるなら十分に楽しめるのではないかと。
主人公のラーメンを行動原理にしたブレない＆突き抜けたキャラは見ていて愉快でしたし
ヒロインたちも、少しチョロすぎではあるものの、好意の理由が明確で、嫌味のない可愛さがありましたしね。
本筋はヤマなしオチなしのあからさまな打ち切りと、非常に不満が残る形での完結。
ただ、元々「異世界でラーメンを作る」というふわっとした行動原理の話だったので、これで妥当なのかも？
もうちょっとドラマ性というか、ストーリーに終着点があれば別だったのかもしれませんが。