異世界混浴物語 日々花長春(オーバーラップ文庫)
剣と魔法と泡と肌色で送る、異世界混浴ファンタジーストーリー。
魔王を倒すために勇者として召喚された少年少女たち、戦うために目覚める特殊な力。
と、出だしだけ見ると王道の異世界召喚ものっぽいですが、主人公の能力が「どこでもお風呂に入れる能力」
というのはいくらなんでも意表を突きすぎである。正にこの発想はなかった、の一言に尽きます。
まあ、入浴だけではなく、水や石鹸の供給といった地味に重要な使い道もあるんですけどね。
とはいえ、合法的に肌色場面を作り出せるという一点で、優れた能力であることは間違いないわけですがw
ラストは復活した魔王と和解し、反乱の女勇者の野望を砕き、勇者としての役割を終えた主人公は
元魔王の国を再興させ、新しい故郷を作るという日常を始めるのだったエンド。
ラブコメ的には明確なオチなしでの終了となるも、将来的なハーレムエンドは確定と見てよいかと。
主人公は現代日本から、魔王打倒のため勇者として召喚された少年。
好きな場所にバスルームへと繋がる扉を生み出すことが可能な「無限バスルーム」という能力を持っている。
理解力や発想力に長け、頭の回りも良く、気づかいもできるのだが、年頃の少年らしい下心がやや強い。
ただ、素直に煩悩を口に出すことはあっても、相手が嫌がることはしない、まともな自制心の持ち主でもある。
勇敢というわけではないが、罪悪感を抱くことへの恐れから、困っている人を見捨てられない性質。
ヒロインは優等生な勇者、勝気な元お嬢様、家事上手な狼亜人娘、無表情系晶術師、幼女な闇の女神。
魔族転生した実妹。あと、面倒見の良いお姉さん神官やお付き三人娘なども。
一番のお気に入りは主人公と同様に、勇者として召喚された同郷の少女、東雲春乃。
艶やかな長い黒髪と綺麗系の顔立ちと、大和撫子の印象を受ける外見の持ち主で
元の世界では政治家の家の生まれで、お嬢様学校にも通ってたりと、生粋のお嬢様
芯が強く、真面目で責任感があり、それでいて意外とお茶目なところがある性格をしている。
実は着やせするタイプであり、巨乳。
評価はB。
モンスターとの戦い、魔王討伐、女神の祝福、レベル&ステータス、人間と共生する亜人、仲間達との旅など
主人公の特異な能力とは裏腹に、内容そのものは結構正統派なファンタジーに仕上がっています。
キャラに関しては、ヒロインは皆嫌味のない可愛さがありますし、主人公も自分の力を最大限に活かして
ハーレム(という名の混浴)を目指して一生懸命頑張っている姿が頼もしい。
彼らが織り成す、やや緊張感に欠けるほのぼのボケツッコミな会話も中々味わい深い楽しさがありましたし。
本筋は最初から最後まで殺伐さ&シリアス薄めのゆるゆるな雰囲気を貫き通した上での大団円。
更には、締めが一巻で描いていた夢の大混浴と、実にラブ&ピースに溢れている物語だったと思います。
ただ、それだけにアフターで各キャラのその後が見たいところですが…