ソード&ウィザーズ   柑橘ゆすら(HJ文庫)



最強の剣士が七人の姫騎士を従える時、新たなる伝説が始まる天華無双のバトルエンタメストーリー。
女性優位な異能の全盛期、人類に敵対する異形の襲来、女だらけの学園に男一人、機械鎧装備。
そして異端の力で戦う最強主人公と、お約束がどっさり詰め込まれています。
魔術や異形相手に剣一本で戦う、という無茶振り極まりないバトル描写も実にハッタリが効いていてグッド。
まあ、決め技は魔術を上乗せする形になっているので厳密には剣一本ではないのですが。
ラブコメ面は主人公の能力と作品設定的に、最終的には七星騎士ハーレムが築かれそうですが…?

主人公は一流の魔術師たちが集う学園に籍を置くことになった剣術使いの少年。
孤児院で育ち、幼少期より「皐羽流」という古流剣術を修めていた。
魔術の才能こそ乏しいものの、師匠から世界最強の剣術使いと称されるほどの剣才を有している。
一本気でストイック、そして前向きな性格をしているが、長きに渡り禁欲的な修行生活を続けてきたため
女性に対する関心と性欲が薄く、自身に向けられる好意にも鈍感で、身だしなみにもあまり気を使わない。
過去の出来事から、強くなることを人生における最優先目標として考えている。

ヒロインは元姫な炎騎士、幼馴染な水騎士、超ド級ブラコンな重力騎士、狂気の時空騎士、アンドロイドな雷騎士。
四巻にて尊大軍人な転移騎士が参入。
一番のお気に入りは「銀弾の妖精」というコードネームを持つ転移領域の七星騎士、ユーナ・バイルシュタイン。
少し目つきが鋭すぎるのが玉に瑕ではあるものの、モチモチとした雪色の肌、小柄ながらも引き締まった体躯。
そして無造作に伸びた銀髪が印象的な美少女で、プライドが高く、人一倍正義感の強い性格をしている。
が、強さのみを追い続け、最強の座をほしいままにしてきたがゆえにメンタル的にはかなり脆い。
軍生活が長いことから、世間の常識はほぼゼロで尊大な口調が常。
また、同年代の異性に対する免疫がまるでないため、色恋には超がつくレベルで初心だったりする。

現時点(四巻)においての評価はC。
キャラ、ストーリー共に素材の持ち味が過不足なく活かされており、設定こそありきたりですが
きちんとエンターテイメントとして楽しめる、良い意味でのテンプレ作品に仕上がっています。
バトルパートの盛り上がり、ラブコメパートにおけるヒロインたちの魅力も文句ありませんし
話の展開にしても、筋道がしっかりしているので読みやすさはバッチリ。
本筋は強大かつ謎のテロ組織、異形の怪物、大会で立ちふさがる騎士たちと戦うべき敵は多数な上
未登場の七星騎士の存在など、まだまだ世界観の広がりに期待できそうですが、キナ臭さは増す一方で…?