優等生以上、フリョー未満な俺ら。 初美陽一(GA文庫)
なんちゃって不良な少年と愉快な仲間達のドタバタラブコメディ。
どう見ても優等生なのに、不良に憧れるが故に言動がチグハグな主人公と、それに振り回される周囲が面白い。
「理不尽な奴」はいても「嫌な奴」はほとんどいないので読後感もスッキリしてますし。
それほど深いテーマなどはなく、あくまでラブコメを主体にしてあるので読みやすさもバッチリ。
ラストは、メインヒロイン四人を全員幸せにしてやる宣言からのハーレムエンド。
現代日本ベースの世界観でこのオチは流石に予想外。でもまあ不良が女をはべらすのは普通ですもんね!
主人公は高校に通う自称不良な超優等生。
道に落ちているゴミは許せない、遅刻はしない、授業には必ず出てノートはちゃんととる、クラス委員長。
困っている人は必ず助け、髪も染めないとやってることは優等生としか言えず、不良らしいことはしていない。
精々が乱暴な口調をとるくらいで、周囲からは欠片も不良とは思われていなかったり。
性格的には鈍感でデリカシーゼロと女性関係に疎いものの、それ以外のことでは気が利き、思いやりがある。
そのため、学校では教師からも生徒からも評判が高かったりと本人の望まない状況が続く毎日。
不良として重要な喧嘩の勝率は五割。男には滅法強いが、女性には弱いためこの勝率になっている。
ヒロインは舎弟ならぬ舎妹、お節介幼馴染、眼鏡委員長、金髪男装少女。
四巻にて主人公に惚れた血祭りさんはサブヒロイン扱いのまま終了。
一番のお気に入りは金髪の転校留学生ボクっ娘、アデル=ミカエル=フォンベルク。
騎士に憧れていて、転校当初は女と見くびられないように男装していた。あと、常にサーベルを携帯している。
そのため、普段は美少年しか見えないものの、女らしい格好さえすれば上品なお嬢様に変身する。
性格的には、騎士に拘っているため頑ななところもるが、それ以外では礼儀正しく素直。
来日して日が浅いため、日本の文化を引き違えているところがあり、時折天然&大胆な行動を取ることも。
また、色恋沙汰に関しては鈍いものの、天然で男心をくすぐる仕草を見せたりと、ヒロイン力はかなり高い。
男が苦手であり、近づかれただけでダメ。
評価はC。
深く考えずにスラスラ読めるタイプの作品だったと思います。
主人公とヒロインのキャラもわかりやすく、全員が能動的に動いているためテンポもよかったですし。
ただ、コメディ重視と言う点を考慮しても、壊れすぎ&強引すぎな部分が多かったのがマイナス点でしょうか。
それと、最後の一人を選ぶと他の娘を悲しませるから全員選ぶ! という主人公の決断は個人的には好評価。
ヒロイン側から促された形とはいえ「仲間を大事に」というテーマからブレなかったわけですしね。
勿論将来的にどうするんだとか色々ありますが、ハーレムエンドで細かいことは気にしていけない。