搭乗者科の最下生　　　志木謙介（ＨＪ文庫）



魔女システムを搭載し、人類の敵「神兵」に対抗しえる唯一の搭乗兵器「逆神機」ヴェリアル。
その搭乗者養成学校を舞台にした、最弱の少年と最強の魔女が贈る新本格ロボットアクションストーリー。
可変機能ありのロボット、敵は神の眷属。と、厨二心をくすぐりまくりの設定がいいですね。
バトル描写も疾走感があって中々に熱いですし、話の展開にもまどろっこしさがあまりなく
敵もわかりやすい侵略者なので、小難しいことを考えずにスッキリと読むことが出来ます。
ラブコメ面は「恋愛すると逆神機操作に影響がでる」という理由での恋愛禁止令があるわけですが、さて。

主人公は白兵戦では無類の強さを誇る搭乗科の最低成績者な少年。
意地悪で人をからかうことを好むところこそあるものの、まっすぐな性根をしており
どんな困難が立ちふさがろうとも、己が正しいと信じた事を貫き通す意志の強さを持っている。
基本的に甘い性格をしているが、幼女に制裁を加えることに躊躇がなかったりと割と容赦のない一面も。
逆神機の搭乗者を目指した理由は、誰かを守れるような存在になりたいから。

ヒロインは子犬系魔女娘、占い好きな幼馴染。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点（一巻）においての評価はＣ。
ボーイミーツガールから物語がはじまる巨大ロボットもの。どこか古き少年漫画的空気を持つ作品です。
落ちこぼれの主人公がヒロインとの出会いを切欠に才能を開花させるという流れは正に王道。
ただ、主要登場人物のキャラが薄い、あるいは好感を抱きにくいのがマイナス点でしょうか。
主人公は背景やヒーロー願望が強いだけで行動動機が弱く、活躍に存在感がついていっていない感じですし
現時点でのヒロイン候補二人もやたらと自分勝手だったり、無闇に乱暴だったりと
面倒くさすぎて可愛さを感じられないという。とにかく全員その場の都合だけで動かされてる感が強いんですよね。
とりあえずこの辺は次巻以降の成長、あるいは新キャラに期待するしかないのかな？