僕とドSと腐女子と脳筋   新見聖(MF文庫J)



底辺からの大逆転劇で贈る、やたらに楽しいハイテンション下剋上ストーリー。
理不尽な学校対抗の競争制度が当たり前のこととして導入されているという、コメディならではの世界観。
不条理な設定に負けない個性と行動力を発揮し、所狭しと暴れまわるメインキャラクターたち。
細かいことは気にしたら負けな、とにかく賑やかで騒がしく、見ていて楽しくなるタイプの話ですね。
ラブコメ面は今のところポジションの優位でお隣のお姉さんが優勢?

主人公は突撃の神風(ツッコミ・テンペスト)の異名を持つ生徒会副会長に就任させられてしまった少年。
かつて町内を暴れまわった「WGクラッシャーズ」の一員であり、一番の苦労人。
律儀で面倒見のよいフォロー気質をしており、昔からそばにいる者全ての幸福を願う心優しさを持っている。
常識人であり、普段はツッコミポジションについているが、結構ノリがよく、根は熱い性格。
また、異性に対し思ったことを素で口にし、自覚なしの口説き文句を吐いてしまうなど、鈍感なところも。
長所は百メートル走、十一秒六の俊足。

ヒロインはドSな幼馴染、腐女子な幼馴染、天然なお隣のお姉さん、ムッツリ風紀委員長。
一番のお気に入りは国境なき想像主(ボーダレス・イマジナー)の異名を持つ腐女子幼馴染、伊吹那由。
人間の男同士どころか、無機物すらも掛け算にしてしまう超のつく腐女子で、所属は美術部。
トリックアートや模造品製作を得意とし、色んな物を器用に作り出す才に長けている。
自信家な性格で、すぐに調子にのってしまうタイプ。ただ、すぐにパニクるため、そこをイジられることが多い。
実は密かに自身のつつましい胸を気にしている。

現時点(二巻)においての評価はC。
こういう気の合う仲間同士が集まってバカ騒ぎを楽しむ話は、いかにも青春コメディって感じがしていいですね。
主要キャラが率先して軽いノリで動きまわるので、多少の理不尽や強引さも笑って受け入れられますし
頻繁に行われるボケツッコミの応酬も、テンポの良さが全体に明るい雰囲気を作り出しています。
まあ、主人公がツッコミを一身に背負っているのは同情点ですが、それが面白いんだから酷い話である。
本筋は二巻で二校目のライバル校を撃破、残るは一校なので次で完結してもおかしくないわけですが…