チートな僕のアホの娘育成論   小山タケル(MF文庫J)



魔力の存在が見つかり、それを使いこなすのが当たり前になった世界を舞台にしたドタバタ学園ストーリー。
歴代屈指の天才魔法使いである主人公と世界を滅ぼす可能性を持つヒロイン。
主役二人の設定だけ見るとシリアスまったなしに思えますが、意外にも話の方向性はコメディ寄り。
勿論、真面目な話やガチバトルもありますが、基本オチ付きなので、肩の力を抜いて読むことが出来ます。
ラブコメ面は、メインヒロインの神崎音葉が主人公の親友に惚れており、主人公はその応援をする立場。
という複雑な状況ながらも、徐々にお互い惹かれあっていく他ヒロイン涙目展開ですが…?

主人公は「万物を統べし精霊王」の通称を持つ高校一年生。
魔法使いとしては屈指の天才、眉目秀麗、頭脳明晰、スポーツ万能、おまけに家事全般まで完璧にこなし
異性からの人気も上々と、絵に描いたようなハイスペックを持つ超人なのだが
自分が凄いのが当たり前と思っていたりと、無意識レベルで傲慢&プライドが高く、そのくせ自分の思い通りに
物事が運ばないとビックリするほどヘコんでしまうという、豆腐メンタルかつ面倒臭い性格をしている。
なお、女の子に対しては朴念仁でデリカシーに欠けているが、結構ウブなところも。

ヒロインはチビ巨乳な不思議ちゃん、ツンデレ腐女子委員長、不幸気質な童顔職員。
一番のお気に入りは行政機関「異能局」から派遣されてきた苦労性な職員、黒兎良。
誰に対しても礼儀正しく素直で謙虚ながら、気弱な性格が祟って苦労と不幸を背負い込んでしまいがち。
ただ、家事能力優秀、気が利き、面倒見も良しと、嫁&母としては有望なタイプだったりする。
童顔とか弱そうな外見が原因で実年齢(十八歳)よりも下に見られることが多く、それがコンプレックス。
弱点は極端に朝が弱いこと。

現時点(二巻)においての評価はC。
順風満帆な人生を生きてきた少年が、世界を揺るがす力を持った少女の恋に介入する。
このくだらなくも、インパクトのある構図が面白い。スケールと実情のギャップが激しすぎです。
強烈な個性と存在感を放つ主役二人だけではなく、脇を固めるサブ&モブキャラは大げさなリアクションや
台詞回しで作品に賑やかさを与えていたりと、キャラにも勢いがありますしね。
本筋はドタバタラブコメと主役二人の成長物語を軸にして進んでいるようですが、さて。