破剣クロニクル すぎやまリュウ(MF文庫J)
少女の姿をした魔剣と契約し戦いに身を投じる少年の、新たな時代を斬り拓く物語。
複数の魔剣(ヒロイン)と契約をすることができるという、主人公だけが持つ特異体質。
そして、魔剣の真の力を発揮させるために必要な「研ぐ」という名のお風呂での髪洗い。
ハーレム&お色気展開への理由付けという意味で、素晴らしい設定ですねw
しかし、髪洗いの描写がやたらと丁寧というか、微妙にフェチっぽいのは作者さんの趣味なのだろうか。
ラストは魔剣のない世界を作ろうとしていた師を倒し、そして一行の旅は続いていくエンド。
ラブコメ的には主人公の目的(世界中の魔剣を集める)的に、将来は魔剣ハーレムになりそうな感じで終了。
主人公は突然現れた魔剣士の男に命を狙われ、魔剣の少女ティオーレと契約してしまった少年。
マイペースながらも素直で正義感が強く、イザという時は自分の身よりも、まず他人のことを案じる性格で
同年代の異性すらいない辺境の村育ちなため世間知らずであり、女の子が苦手。
育ての親に幼い頃から鍛えられてきたことから、剣術は素人だが、格闘能力は高く、身体も結構たくましい。
動物や色々なものに好かれる体質と動物の毛や魔剣の髪を洗う才能を持っている。
ヒロインはツンデレ魔剣、生真面目な旅仲間、無感情な魔剣、無邪気な魔剣、ボクっ娘魔剣、おっとり魔剣。
一番のお気に入りは剣封結社の諜報員兼戦闘員である魔剣使い、シオン。
真面目で責任感が強く、健気な性格。しかし、それゆえに自分を追い込んでしまうところがある。
普段は用心深く冷静な、パーティーのまとめ役だが、可愛い服を見つけてはしゃいだり
お姫様抱っこに興味があったりと、年頃の女の子らしい一面を見せることも。
評価はC。
世界観、設定、ストーリー、突き抜けたものはないですが、大きな矛盾や欠点もなく読みやすい作品でした。
キャラに関しては、主人公は未熟さこそあれど、まっすぐへこたれない性根をしていますし
そんな彼を慕うヒロインたちもそれぞれの好意の示し方が微笑ましく、読んでいてニヤニヤできましたね。
本筋は大方の伏線が開示され、話も一応一区切りついた形にはなっていたものの、まだまだ続けようと思えば
続けられるだけの余地がある状況での終了という、明らかな打ち切り完結になっていたのは残念。
あと、個人的な意見としては、☆画野朗さんの挿絵はヒロインたちの魅力を引き出すという意味では
バッチリなのですが、生死をかけたガチバトルありの作風にはあまりマッチしていなかった気が…