独立学園国家の召喚術科生 鏡銀鉢(MF文庫J)
召喚術師を養成するための独立学園国家を舞台にした、ヒーローを諦めた少年が贈る最強の英雄譚。
異能設定(召喚術)に多少の捻りはありますが、大枠としては典型的な学園異能バトルものです。
召喚対象が神話の神や悪魔、英霊で統一されているので、能力や脅威度がわかりやすいのがいいですね。
ストーリーも「薄幸のヒロインを守る」という形が大前提になっていたりと、王道色が強いですし。
ただ、敵が悪に追いやられただけの存在ばかりだったので爽快感にはやや欠けるかも。
ラストは悪の化身は主人公に浄化され、滅亡から救われた世界は少しだけ優しくなったのだったエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインのセリアを本命扱いにしつつも、ヒロイン皆と婚約ハーレムエンドで終了。
主人公は日本神話最強の英霊、ヤマトタケルを召喚してしまった少年。
幼い頃からヒーローになることを望んでいたが、尊敬する兄の死を切欠に平穏を望むように。
自分に正直な性格で、明るく、バカっぽく、人と接する上で差別も偏見も色眼鏡も持たないタイプ。
ヒーローについては懐疑的だが、他の事、特に可愛い女の子のことに関してはポジティブでたくましい。
大のシスコン&可愛い女の子好きだが、その割に女の子側からの好意には鈍かったりする。
ヒロインは爆乳クールビューティー、無鉄砲な貧乳幼なじみ、ツンデレエリートお嬢様、百合なボクっ娘。
巨乳ブラコン姉、ツンツン妹、ロリババア守護霊、陽気な中東系褐色娘、無表情な着物娘、浄化されたラスボス。
一番のお気に入りは銀髪紅眼のフランス人美少女、セリア・セルベール。
アルビノ体質ゆえの白い肌と、守ってあげたくなるような儚げな雰囲気を持っており
中学二年生にしてHカップの爆乳。それでいて体型はスレンダーと反則気味な外見の持ち主。
堕天使ルシファーを召喚してしまったため、周囲から迫害を受け、それゆえに心を閉ざして生きてきたのだが
主人公(+彼の姉と妹)との出会いと同居を切欠に、段々と感情を見せるように。
普段は無口無表情無感動の棒読み口調だが、可愛いもの好きだったりとギャップ萌えが凄い。
評価はB。
中学生が主役の作品らしく、年齢相応に未熟で青臭く、だからこそまっすぐな感情の叫びが映える作品。
毎巻のクライマックスバトル、そしてキャラの台詞や行動そのものに心を揺さぶる熱さと勢いがありました。
主人公の行動原理「惚れたヒロインのために身体を張って頑張る!」はわかりやすく共感しやすかったですし
ヒロインたちもそんな彼の隣に並べるように頑張る姿が健気で好感を抱けましたね。
本筋は最終巻が思いっきり駆け足展開&パワーアップインフレの嵐&かなりご都合主義的なオチと
かなり打ち切り感が強かったですが、話そのものは大団円で纏まっており、読後感は文句なし。
肌色成分多めのラブコメパートや王道要素連発な最終決戦一連の流れの盛り上がりも抜群でしたし。
まあ、だからこそもっと巻数をかけて丁寧に終わらせて欲しかったというのも確かなのですが。